「古文って、なんで現代語と違うの?」「助動詞が多すぎて覚えられない…」そんな悩みを抱えている高校生はとても多いです。古文は正しい参考書を選んで、順番通りに取り組めば、必ず点数が上がります。この記事では、古文文法の参考書の選び方から定期テストに直結する勉強法まで、わかりやすく解説します。
目次
古文文法の参考書が必要な理由
「教科書があれば十分じゃないの?」と思うかもしれません。でも、教科書だけでは古文文法の全体像がつかみにくいのが現実です。参考書には、文法を体系的に整理してくれる力があります。
教科書だけでは補えないポイント
高校の国語の教科書は、文学作品を読むことが中心です。そのため、文法の説明が断片的で、体系的に学べないという弱点があります。
たとえば助動詞「む」は、推量・意志・勧誘・仮定・婉曲と5つの意味があります。教科書ではその都度注釈で説明されるだけなので、「この助動詞はどういう意味なのか」を自分で整理するのが難しいです。
参考書を使うと、助動詞一覧表・活用表・識別ポイントがひとまとめになっているので、全体像をつかみながら学習できます。テストで点を取るには、この「全体像の把握」が欠かせません。
文法を理解すると古文読解が一気に楽になる
古文の読解が苦手な人の多くは、単語は覚えているのに文章の意味がとれないという状態に陥っています。その原因のほとんどは、文法の理解不足です。
「ぬ」「む」「べし」などの助動詞は、文のニュアンスを大きく変えます。「行きぬ」は「行ってしまった(完了)」、「行かぬ」は「行かない(打消)」。たった1文字で意味が真逆になることもあります。
文法をきちんと理解すれば、文章をスラスラ読めるようになり、現代語訳問題や内容理解問題でも安定して点数が取れるようになります。
定期テストでは文法問題が配点の柱になっている
高校の定期テストでは、文法問題(助動詞の識別・活用形の答え・敬語の判定など)が全体の30〜50%の配点を占めることが多いです。
これは、定期テストが「授業内容の定着」を測ることを目的にしているためです。文法を正確に覚えていれば、それだけで大きく得点が伸びます。逆に文法を後回しにすると、どれだけ文章を読んでも点数が安定しません。参考書で文法を固めることが、定期テスト対策の最短ルートです。
古文文法の参考書の選び方
参考書はたくさん出ていますが、自分に合ったものを選ばないと、途中で挫折してしまいます。選ぶときの3つのポイントを押さえておきましょう。
自分のレベルに合った参考書を選ぶ
参考書選びで最も大切なのは、自分の今の実力に合ったものを選ぶこと。難しすぎると挫折し、簡単すぎると力がつきません。
- 古文をほぼ初めて勉強する → 「ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル」(河合出版)がおすすめ
- 文法の基礎はあるが不安 → 「望月光の古文教室」(旺文社)や「富井の古文読解をはじめからていねいに」(東進)
- 文法を一通り終えて演習したい → 「古文上達 基礎編」(Z会)
上記はあくまで目安です。書店で実際にパラパラとめくって、「7〜8割くらいわかる」と感じるレベルのものを選ぶのが理想です。
解説がわかりやすいかどうか確認する
参考書の解説は、書いた著者によって文体や視点が異なります。同じ内容でも「すごくわかりやすい」と感じる参考書と「よくわからない」と感じる参考書があるのは、相性の問題です。
たとえば「富井の古文文法をはじめからていねいに」(東進ブックス)は、語りかけるような口語体で書かれており、古文が苦手な人でもスムーズに読めます。一方、「古典文法問題集」のような問題演習型の参考書は、解説が端的でテンポよく進めたい人向けです。
必ず書店で中身を確認してから購入するようにしましょう。
問題演習ができるかどうかを確認する
文法は「読んで理解する」だけでは身につきません。実際に問題を解いて手を動かすことで初めて定着します。インプット(説明)とアウトプット(問題演習)の両方がそろっている参考書を選ぶか、2冊セットで使うのがおすすめです。
「ステップアップノート30」のようにドリル形式になっているものは、1冊で説明と演習が完結します。忙しい人にはこういったコンパクトにまとまった参考書が向いています。
レベル別おすすめ古文文法参考書
どの参考書が自分に合うか迷ったときは、以下の一覧表を参考にしてください。学習段階ごとにおすすめを整理しました。
| レベル | 参考書名 | 出版社 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 初心者 | 富井の古文文法をはじめからていねいに | 東進ブックス | 口語体でやさしく解説。図・イラスト多め |
| 初心者〜基礎 | ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル | 河合出版 | 1冊で説明+演習が完結。薄くて使いやすい |
| 基礎〜標準 | 望月光の古文教室 古典文法編 | 旺文社 | 説明が丁寧。品詞分解の練習ができる |
| 標準 | 古文上達 基礎編 読解と演習45 | Z会 | 文法×読解の橋渡しができる。難関校志望にも |
| 演習強化 | 古典文法・融合問題完全攻略28 | 数研出版 | 識別問題に特化。センター・共通テスト対応 |
この表はあくまで目安です。実際に書店で手に取り、解説の読みやすさを確かめてから購入することをおすすめします。
初心者には「富井の古文文法をはじめからていねいに」
古文文法をゼロから始める人には、「富井の古文文法をはじめからていねいに」(東進ブックス)が特に人気です。著者の富井健二先生は、東進ハイスクールで長年指導してきた名講師で、「難しいことをわかりやすく伝える」のが得意です。
この参考書の最大の特徴は、まるで授業を受けているような語り口で書かれている点。「なぜこうなるのか」という仕組みから説明してくれるので、丸暗記に頼らずに文法を理解できます。上・下の2冊構成で、助動詞・助詞・敬語まで体系的に学べます。
演習量を確保したい人には「ステップアップノート30」
文法の説明を読んだあとは、すぐに問題を解くことが大切です。「ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル」(河合出版)は、説明ページと問題ページがセットになっており、1冊で学習が完結します。
全部で30のテーマで構成されており、1テーマ2〜4ページとコンパクト。部活で忙しい高校生でも、1日1テーマずつ進めれば1ヶ月で全範囲をカバーできます。薄いので何度も繰り返しやすいのも大きなメリットです。
読解力もつけたい人には「古文上達 基礎編」
文法の基礎を固めたあと、読解問題にもつなげたい人には「古文上達 基礎編 読解と演習45」(Z会)がおすすめです。文法の確認と短文読解がセットになっており、「文法を使って文章を読む」練習が自然にできます。
Z会の参考書はやや難易度が高めですが、解説がていねいなので、基礎を終えた段階で取り組むとぐっと読解力が上がります。早慶・MARCH・国公立など難関大学を目指す高校生にも対応できる内容です。
定期テストに向けた古文文法の勉強法
参考書を選んだら、次はどう使うかが大事です。ここでは定期テストで高得点をとるための具体的な勉強ステップを紹介します。
まずは活用表の暗記から始める
古文文法の基本は活用表の暗記です。動詞・形容詞・形容動詞・助動詞には、それぞれ語尾が変化するルール(活用)があります。この活用表を覚えていないと、文章を読んでもどこで文が切れるのかがわかりません。
覚え方のコツは、声に出して何度も唱えること。たとえば四段活用なら「ア・イ・ウ・ウ・エ・エ」と繰り返し声に出す。英語の不規則変化動詞を覚えるときと同じ感覚です。毎朝5分だけ活用表を音読するだけで、2週間ほどで自然に覚えられます。
助動詞は「意味・接続・活用」の3点セットで覚える
定期テストでよく出るのが助動詞の問題です。助動詞を覚えるときは、次の3点をセットで覚えることが重要です。
- 意味:その助動詞がどんな意味を持つか(例:「き」は過去)
- 接続:どんな形の語の後ろにつくか(例:「き」は連用形接続)
- 活用:語尾がどう変化するか(例:「き」の活用はカ変型)
意味だけ覚えても、接続や活用を知らないと文中で助動詞を識別できません。「るとらるの違いは?」「なとぬの違いは?」こうした識別問題に対応するには、3点セットでの暗記が欠かせません。学校で配布される助動詞一覧表を手元に置きながら、参考書の問題を解くのが効率的です。
品詞分解の練習を繰り返す
文法の力を実際の読解につなげるためには、品詞分解の練習が最も効果的です。品詞分解とは、文章を単語ごとに区切り、それぞれの品詞・活用形・助動詞の意味を書き出す作業です。
最初はゆっくりでいいので、教科書の本文を1文ずつ品詞分解する習慣をつけましょう。「これは動詞の連用形」「ここは助動詞『ず』の連体形」と声に出しながら確認すると、理解が深まります。
初めのうちは「望月光の古文教室」などの解説が丁寧な参考書を使い、品詞分解の手順を身につけることをおすすめします。慣れてきたら、学校のプリントや問題集で繰り返し練習しましょう。
助動詞・敬語など重要文法の覚え方
古文文法の中でも特につまずきやすいのが助動詞と敬語です。ここではそれぞれのおすすめの覚え方を紹介します。
助動詞を語呂合わせで一気に覚える
助動詞は数が多く、すべてを丸暗記しようとすると大変です。そこで活用したいのが語呂合わせです。
有名なのが「未然形接続の助動詞」を覚える語呂合わせ「る・らる・す・さす・しむ・ず・む・むず・まし・まほし」。これを「るらるすさすしむず むむずましまほし」というリズムで覚えると頭に残りやすいです。
東進ハイスクールや駿台予備校の古文授業でも、語呂合わせを活用した暗記法が紹介されています。参考書の巻末や授業動画(YouTubeなどの無料コンテンツも活用できます)でも確認してみましょう。
敬語は3種類に分けて整理する
古文の敬語は尊敬語・謙譲語・丁寧語の3種類に分けて覚えるのが基本です。現代語の敬語と仕組みは同じですが、使われる動詞が異なるため混乱しやすいです。
まず覚えておきたい重要敬語動詞をまとめました。
| 種類 | 古文の敬語 | 現代語訳 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 尊敬語 | おはす・おはします | いらっしゃる | 主語が高貴な人物 |
| 尊敬語 | たまふ | 〜なさる(お〜になる) | 補助動詞として多用 |
| 謙譲語 | まゐる・まゐらす | 参上する・差し上げる | 動作の向かう先が高貴 |
| 謙譲語 | 申す・聞こゆ | 申し上げる | 言う動作の謙譲 |
| 丁寧語 | はべり・さぶらふ | ございます・あります | 話し手が聞き手に敬意 |
敬語は「誰が誰に対して使っているか」という人間関係を意識しながら覚えると、定期テストの敬語問題で大きく得点できます。
識別問題は「文脈」と「接続」で判断する
助動詞の識別問題(「なとぬの違い」「るとらるの違い」など)は、定期テストでも頻出です。識別のカギは「接続」と「文脈」の2点です。
たとえば「ず」(打消)と「ぬ」(完了)の見分け方を見てみましょう。「ず」は未然形接続、「ぬ」は連用形接続です。直前の動詞の活用形を確認するだけで、どちらなのかがわかります。参考書の識別チャートを手元に置いて、問題を解きながら繰り返し確認する練習をしましょう。
よくある失敗パターンと対策
古文の勉強でつまずく人には、共通した失敗パターンがあります。自分が当てはまっていないか確認してみましょう。
参考書を何冊も買いすぎてどれも終わらない
古文の参考書選びでよくある失敗が、参考書を買いすぎてしまうことです。「この参考書もよさそう」「あの参考書も評判いい」と次々に購入してしまい、結局どれも中途半端になってしまうパターンです。
参考書は多くても2冊まで(インプット用1冊+アウトプット用1冊)に絞りましょう。1冊を完璧に仕上げるほうが、3冊を半分ずつやるよりはるかに効果があります。
アドバイス: まず1冊を3周することを目標にしてみましょう。1周目は内容理解、2周目は問題演習、3周目はミスした箇所の復習、というサイクルが効果的です。
暗記だけで文法を理解しようとする
活用表や助動詞の意味を丸暗記するだけで満足してしまうケースも多いです。しかし、文法は「なぜそうなるのか」という仕組みの理解とセットでなければ、応用問題には対応できません。
たとえば「む」に5つの意味があるのは、もともとの語感として「実現していないことへの心の動き」があるからです。こうした背景を知ると、文脈から意味を判断しやすくなります。富井先生の参考書や学校の先生の説明をしっかり聞き、理解ベースの暗記を心がけましょう。
復習せずに次の単元に進んでしまう
参考書を先に進めることばかり意識して、復習をおろそかにするのも失敗パターンの一つです。古文文法は積み上げ式なので、助動詞の基礎があいまいなまま敬語や識別問題に進んでも、ほとんど理解できません。
「間違えた問題にチェックをつけて、翌日必ず解き直す」というルールを決めておくと、自然に復習の習慣がつきます。特に試験前1週間は新しいことを覚えるより、今まで学んだ内容の確認に集中するほうが点数に直結します。
参考書と合わせて活用したい学習リソース
参考書だけでなく、学校の授業・問題集・動画教材を組み合わせると学習の質がさらに上がります。
学校の授業を最大限に活用する
定期テストは、学校の授業内容から出題されます。授業中に先生が強調したポイントや板書は、テストに出る可能性が高いという意味でも大切にしましょう。
授業をよく聞くこと、ノートに文法の解説をメモすること、わからないことは先生にすぐ質問することが基本です。特に古文は、先生によって独自の覚え方やゴロ合わせを教えてくれることも多いので、聞き逃すともったいないです。
YouTubeなどの無料動画も有効に使う
最近は「ただよび」(YouTube)や「スタディサプリ」のように、わかりやすい古文文法の授業動画が無料・低価格で視聴できます。特に「ただよび」は元駿台予備校の白文先生による古文授業が無料で視聴でき、参考書と並行して使うと理解が深まります。
スタディサプリ(月額約2,178円〜)では、スタンダードレベルからトップレベルまで段階的な古文授業が用意されており、定期テスト対策から大学受験まで一貫して学習できます。
塾や予備校を活用するときのポイント
自学自習では限界を感じる場合は、塾や予備校での指導も選択肢に入れてみましょう。
- 集団授業型(駿台予備校・河合塾・東進ハイスクールなど):カリキュラムが体系的で、古文文法を一から丁寧に教えてもらえる
- 個別指導型(明光義塾・個別教室のトライなど):自分のペースで進められ、苦手な単元を重点的に学べる
- オンライン塾(スタディサプリ・Z会オンライン):時間や場所を選ばず、コスパよく学習できる
どの形式が合うかは人それぞれです。体験授業を活用して、実際に雰囲気を確かめてから選ぶのがおすすめです。
まとめ
この記事では、古文文法の参考書の選び方から定期テストに向けた勉強法までを解説しました。
- 古文文法の参考書は自分のレベルに合ったものを1〜2冊に絞って使い倒すことが大切
- 初心者には「富井の古文文法をはじめからていねいに」、演習重視なら「ステップアップノート30」がおすすめ
- 助動詞は意味・接続・活用の3点セットで覚える
- 活用表の音読・品詞分解の練習・復習の徹底が得点アップの鍵
- YouTube動画や学校の授業も組み合わせると、理解がさらに深まる
古文は、正しい順番で取り組めば必ず力がつく科目です。焦らず、まずは1冊の参考書を手に取るところから始めてみましょう。
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