目次
古文の苦手意識をなくすために知っておきたい最初のステップ
古文に対して「外国語みたいでさっぱりわからない」と感じている方は多いですよね。でも安心してください。古文は英語に比べれば覚えるべき単語数も圧倒的に少なく、コツさえ掴めば誰でも得点源にできる科目です。まずは、なぜ古文が難しく感じるのか、その正体を知ることから始めていきましょう。
古文と現代文の決定的な違いを理解する
古文を読むときに、現代文と同じ感覚で読み進めてしまうと、途中でストーリーが迷子になってしまいます。一番の違いは、古文では主語が省略されることが非常に多いという点です。現代の私たちは、主語がなくても文脈で判断していますが、古文の世界にはその「文脈」を支える独自のルールがあります。例えば、敬語の種類によって誰が誰に対してアクションを起こしているのかが決まる仕組みなどです。この違いを理解することが、古文攻略の第一歩となります。
まずは単語300語を目標に覚える理由
英単語は数千語覚える必要がありますが、大学入試に必要な古文単語は、重要語に絞れば300語から多くても600語程度です。実はこの「少ない単語数」こそが、古文を短期間で得意にする最大のメリットです。300語程度であれば、1ヶ月集中して取り組むだけで基礎が完成します。単語帳を選ぶときは、武田塾などの参考書ルートでも推奨される「読んで見て覚える古文単語315」のような、イラストや語源が載っているものを選ぶと、イメージが湧きやすくなりますよ。
文法は「助動詞」を最優先で攻略する
古文の文法の中で、最も重要で、かつ受験生が苦労するのが助動詞です。助動詞を制する者は古文を制すると言っても過言ではありません。なぜなら、助動詞は文の最後について「過去」なのか「推量」なのか、あるいは「打ち消し」なのかという、文章の意味を決定づける役割を持っているからです。まずは接続、活用、意味の3セットを完璧にしましょう。特に「る・らる」「す・さす」「き・けり」といった頻出の助動詞から手をつけるのが効率的です。
文章がスラスラ読めるようになる読解のコツ
単語や文法を覚えたはずなのに、いざ長文を読むと内容が入ってこない。そんな悩みを解決するための、実戦的な読解のコツを紹介します。古文には「お決まりのパターン」が存在します。それを知っているだけで、まるで霧が晴れたように文章が見えてくるはずです。
主語を特定するための「を・に・が」の法則
古文読解で最も役立つテクニックの一つが、接続助詞に注目することです。文章の中で「を」「に」「が」が出てきた場合、その前後で主語が変わる可能性が高いというルールがあります。逆に「て」「して」「つつ」の場合は、主語が変わらないことが多いです。この法則を意識しながら、文章の横に小さな文字で「誰が」を書き込んでいく練習をしてみてください。これだけで、登場人物の相関図が整理され、ストーリーの取り違えが劇的に減ります。
敬語から人物の身分関係を読み解く
古文における敬語は、単なる丁寧な言葉遣いではありません。誰が偉い人で、誰が仕えている人なのかを教えてくれる「サーチライト」のような存在です。例えば、最高敬語(二重敬語)が使われていれば、その動作の主は天皇や中宮といった身分の高い人物であると即座に判断できます。敬語の種類(尊敬・謙譲・丁寧)を見分けることで、省略された主語を特定する大きなヒントになります。特に物語文では、この敬語の知識が正解への最短ルートになります。
古文常識を知ると背景がイメージしやすくなる
当時の人々の生活習慣や価値観を知ることも、重要なコツです。例えば「通い婚」の文化を知らなければ、なぜ夜に男性が女性の家を訪れるのか、なぜ朝早くに帰っていくのかが理解できません。また、季節の行事や仏教的な考え方もストーリーに深く関わってきます。マドンナ古文常識のような読みやすい本を1冊パラパラと眺めておくだけで、文章を読んでいるときに「あ、これはあのシチュエーションだな」とピンとくるようになります。
テストや入試で確実に点数を稼ぐ勉強法
基礎が固まってきたら、次はアウトプットの練習です。定期テストや共通テスト、さらには早稲田大学やMARCHといった難関私立大学の対策まで、ステップアップしていくための具体的な方法をお伝えします。
教科書の音読が最強のトレーニング
意外かもしれませんが、古文の上達に最も効果的なのは音読です。古文はもともと「耳で聞く」リズムを大切にしている文章が多いからです。学校の教科書に載っている「竹取物語」や「伊勢物語」などの有名な一節を、すらすら読めるまで何度も声に出してみましょう。リズムが身につくと、文法的に不自然な箇所に気づけるようになります。1日10分で構いませんので、現代語訳を確認しながら音読を繰り返してみてください。
スタディサプリなどの映像授業を活用する
独学で行き詰まったときは、プロの先生の解説を聞くのが一番の近道です。例えば、スタディサプリの岡本梨奈先生の授業は、古文が苦手な学生の間で非常に評判が良いです。どこに注目して読めばいいのか、どの単語が狙われやすいのかを論理的に教えてくれます。自分で参考書を読むだけでは気づけなかった「読みの視点」をインストールすることで、学習効率が数倍に跳ね上がります。
過去問演習で設問のパターンを覚える
ある程度長文に慣れてきたら、志望校や共通テストの過去問に挑戦しましょう。古文の設問には「現代語訳せよ」「理由を説明せよ」「心情を答えよ」といった定番の形があります。これらはすべて、本文中の文法要素や、先ほど説明した「主語の特定」が根拠になっています。解答の解説を読むときは、答えが合っているかだけでなく、「なぜその答えになるのか」というプロセスを理解するようにしてください。
効率的な学習スケジュールの例
古文の勉強をいつ、どのくらい行えば良いかをまとめました。以下の表を参考に、自分のスケジュールを立ててみてください。
| 期間 | 学習内容 | 目標の状態 |
|---|---|---|
| 1ヶ月目 | 単語300語・助動詞の活用 | 単語の意味が即答できる |
| 2ヶ月目 | 助詞・敬語・古文常識 | 主語を補いながら読める |
| 3ヶ月目以降 | 短文読解・過去問演習 | 時間内に問題を解き終える |
上記の表は、あくまで一般的な目安です。
部活動や他の科目との兼ね合いを見ながら調整してください。大切なのは、毎日少しずつでも古文に触れる時間を作ることです。例えば、寝る前の10分を単語の復習に充てるだけでも、1ヶ月後には大きな差になって現れます。
古典文法でつまずきやすいポイントの克服法
多くの学生が挫折しそうになるのが、文法の細かいルールです。しかし、すべてを丸暗記しようとする必要はありません。試験によく出る「識別」のポイントを絞って攻略していきましょう。
「なり」の識別をマスターする
断定の助動詞なのか、伝聞・推定の助動詞なのか、はたまたナリ活用形容動詞の語尾なのか。この「なり」の識別は入試の超頻出事項です。見分け方のコツは、直前の語(接続)を見ることです。体言や連体形についていれば断定、終止形についていれば伝聞・推定という基本ルールを覚えるだけで、判別ができるようになります。こうした「見分けのポイント」を一つずつクリアしていくのが、古文を攻略するパズル的な楽しさでもあります。
和歌の修辞技法をゲーム感覚で覚える
古文の中に和歌が出てくると「難しい!」と身構えてしまうかもしれません。でも、和歌は当時の人々のSNSのようなものです。そこには「掛詞(かけことば)」や「枕詞(まくらことば)」といったテクニックが詰まっています。例えば、「待つ」と「松」をかけるような言葉遊びです。これらをルールとして覚えておくと、和歌の贈答から登場人物の微妙な心情を読み解くことができ、読解の大きな助けになります。
助詞の「ば」による条件分岐に注目する
未然形+「ば」なら「もし〜ならば(仮定)」、已然形+「ば」なら「〜なので/〜すると(確定)」というルールがあります。これはプログラミングのIF文のようなものです。この「ば」を正確に訳し分けるだけで、因果関係がはっきりし、物語の展開を読み間違えることがなくなります。こうした小さな文法ルールが、実は大きな読解力の差を生んでいるのです。
古文の得点力を引き上げるおすすめの教材と活用術
どんなにやる気があっても、自分に合わない教材を使っていては遠回りになってしまいます。ここでは、多くの学生を逆転合格に導いてきた、教育アドバイザー推薦の教材を紹介します。
ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル
河合塾から出版されているこのドリルは、文法の基礎を定着させるのに最適です。見開きで左側に解説、右側に練習問題という構成になっており、学んだことをすぐにアウトプットできます。薄い冊子なので、何周も繰り返し解くことで、文法の型を体に染み込ませることができます。まずはこの1冊を完璧にすることを目指しましょう。
富井の古典文法をはじめからていねいに
東進ブックスの「はじてい」シリーズは、講義形式で書かれているため、先生の授業を聞いているような感覚で進められます。図解が豊富で、暗記のコツやゴロ合わせも載っているため、独学で古文を始める人には特におすすめです。難しい言葉を使わず、噛み砕いて説明されているので、苦手意識が強い人でも挫折しにくい内容になっています。
共通テスト過去問と予想問題集
共通テストは、私立大学の入試とは異なり、複数の資料を読み解く力や、対話文形式の問題が出題されるなど、独特の傾向があります。単語や文法の知識がある前提で「どう考えるか」が問われるため、形式に慣れることが不可欠です。赤本や黒本、各予備校の予想問題集を使って、時間を測りながら解く練習を積み重ねてください。
漢文を短期間で攻略するための黄金ルール
古文とセットで出題されることが多い漢文ですが、実は古文よりもさらに短期間で得点源にできるコスパ最強の科目です。漢字ばかりで難しそうに見えますが、ルールは驚くほどシンプルです。ここでは、漢文が苦手な人でも一気に偏差値を引き上げるためのコツをお伝えします。
句法を文法の型として暗記する
漢文攻略の最大の鍵は、句法(くほう)です。これは英語でいうところの「構文」のようなもので、「否定」「疑問」「反語」「使役」「受身」などの決まった形があります。例えば「何ぞ〜ん(どうして〜か)」という反語の形を知っていれば、それだけで文の意味が確定します。まずは、薄い句法参考書(『漢文早覚え速答法』など)を一冊仕上げるだけで、共通テストレベルの文章はかなり読めるようになります。
返り点と送り仮名のルールをマスターする
漢文を日本語として読むための「レ点」や「一・二点」といった返り点は、パズルのようなものです。最初は戸惑うかもしれませんが、基本ルールは数時間あれば理解できます。送り仮名には、助詞や助動詞の役割が含まれているため、これらを正確に追うことで、文法的なミスを防ぐことができます。白文(何もついていない状態)を見て、自分で返り点や送り仮名を振る練習を数回行うだけで、構造を捉える力が格段にアップします。
重要漢字(再読文字など)を優先して覚える
漢文には、二度読む特別な漢字「再読文字」があります。「未(いまダ〜ず)」「将(まさニ〜す)」といった文字です。これらは入試で非常に狙われやすく、読み方と意味の両方をセットで覚える必要があります。また、現代日本語とは意味が異なる漢字(例えば「走」は「逃げる」の意味など)を重点的にチェックしておきましょう。覚えるべき漢字数は100個程度なので、週末に集中して取り組めばすぐに覚えられます。
志望校別・古文漢文の戦い方とおすすめの塾
目標とする大学によって、求められる力や対策の仕方は異なります。ここでは、具体的な大学名や、古文が苦手な人を救ってくれる塾の活用法についてアドバイスします。
早稲田大学・難関私大を目指す場合のコツ
早稲田大学の古文は、非常に難易度が高いことで有名です。単語や文法の知識はもちろん、高度な「古文常識」や、長い文章を速く正確に読む力が求められます。特に対策が必要なのは、文学史や出典に関する知識です。また、法学部や教育学部など、学部によっても傾向が異なります。MARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)レベルであれば、まずは基礎的な文法と単語を完璧にした上で、標準的な難易度の長文を数多くこなすことが合格への近道です。
国公立大学・共通テスト対策のコツ
共通テストの古文・漢文は、配点が高く、スピード勝負になります。特に古文は、和歌が含まれることが多く、心情把握が正答の鍵を握ります。漢文は満点を狙える科目ですので、ケアレスミスをなくすことが大切です。対策としては、センター試験の過去問を含め、20年分ほど解くことをおすすめします。同じような句法や単語が繰り返し出題されていることに気づくはずです。
逆転合格を狙うなら武田塾や河合塾の活用
「自分一人ではどうしてもサボってしまう」という方は、塾の力を借りるのも一つの手です。例えば、武田塾は「一冊を完璧に」というコンセプトで、参考書の進め方を徹底的に管理してくれます。古文単語帳をいつまでに終わらせるか、どのドリルを何周するかを明確にしてくれるため、迷いなく勉強に集中できます。また、河合塾などの大手予備校では、トップレベルの講師による「読み解きの実況中継」のような授業を受けることができ、自分では気づけなかった読解の視点を得ることができます。
古文・漢文の目標設定シート
現在の自分のレベルに合わせて、どこを目指すべきかを整理しましょう。
| 目標レベル | 必要な単語数 | 重点を置くべき点 |
|---|---|---|
| 共通テスト 6割 | 300語 | 基本文法・重要句法 |
| MARCH・地方国公立 | 400〜500語 | 精読力・古文常識 |
| 早慶・旧帝大 | 600語以上 | 速読力・文学史・難読語 |
目標を高く持ちすぎる必要はありません。
まずは自分の現在の偏差値からプラス10を目指すつもりで、基礎から積み上げていきましょう。焦って難しい参考書に手を出すよりも、基本の単語帳を完璧にする方が、結果的に近道になります。
古典作品の背景を知って物語を楽しむコツ
古文をただの「試験科目」と思うと苦痛ですが、「昔の人のリアルな物語」として捉えると、一気に親しみやすくなります。主要なジャンルの特徴を知っておきましょう。
物語・日記文学の「あるある」を理解する
古文の世界には、現代のドラマやSNSと同じような人間模様が描かれています。例えば「源氏物語」は、美男子である光源氏を巡る恋愛ドラマですし、「更級日記」は、物語(今でいう漫画や小説)が大好きでたまらないオタク女子の成長記録のようなものです。当時の女性たちがどんなことで悩み、どんなことに喜んでいたのかを知ると、文章の裏側にある感情が見えてきます。
説話文学に隠された教訓を読み取る
「宇治拾遺物語」などの説話には、ちょっと笑える失敗談や、不思議な体験談、そして道徳的な教訓が多く含まれています。説話は文章が比較的短く、構造も単純なため、読解の練習には最適です。オチ(結末)がはっきりしているので、「あ、こういうことが言いたかったんだな」という納得感が得やすく、古文のリズムに慣れるのにぴったりです。
随筆から当時の知識人の考えに触れる
「枕草子」や「徒然草」といった随筆は、作者の鋭い観察眼や毒舌が楽しめます。清少納言が「冬はつとめて(冬は早朝が良い)」と言ったのは、当時の人々の美意識を表しています。随筆を読むときは、作者が何に対して「いみじ(素晴らしい)」と感じ、何に対して「あやし(不思議だ・変だ)」と感じているのか、その価値観に注目してみてください。
勉強効率を最大化するスマホ・ツールの活用術
今の時代、教科書と参考書だけで勉強する必要はありません。スマホを正しく使えば、最強の学習ツールになります。
古文単語アプリで隙間時間を攻略する
電車での通学時間や、学校の休み時間など、5分あれば単語の復習ができます。「古文単語315」に連動したアプリや、ゲーム感覚で学べる「古文単語ターゲット」などを活用しましょう。紙の単語帳でじっくり覚え、アプリで何度もテストすることで、記憶が長期記憶として定着しやすくなります。
YouTubeの授業動画をフル活用する
最近では、YouTubeで質の高い授業を無料で公開している先生がたくさんいます。「WEB玉塾」のアニメーション解説や、現役の塾講師による単元別の解説動画は、文字だけでは理解しにくい文法のルールを視覚的に理解させてくれます。特に、活用表の覚え方などを歌やリズムで紹介している動画は、暗記が苦手な人の強い味方です。
学習管理アプリでモチベーションを維持する
「Studyplus(スタディプラス)」などのアプリを使って、毎日の勉強時間を記録しましょう。同じ志望校を目指す仲間の記録を見ることで、「自分も負けていられない」という刺激になります。古文は成果が出るまで少し時間がかかる科目ですが、記録をつけることで、自分の努力を可視化でき、挫折しにくくなります。
まとめ:古文・漢文を制して合格を掴み取ろう
古文・漢文の学習において最も大切なのは「正しい型」を身につけることです。
闇雲に文章を読むのではなく、
・助動詞や句法という武器を揃える
・敬語や接続助詞で主語を追う
・古文常識という背景知識を持つ
これらを意識するだけで、世界が変わります。
最初は難しく感じるかもしれませんが、基礎を固めた先には「読める楽しさ」が待っています。この記事で紹介した勉強法を、ぜひ今日から一つでも取り入れてみてください。あなたの努力が実を結び、テストで最高の結果が出せることを確信しています。
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