漢詩の中でも特に有名な作品のひとつ、杜牧の「山行」。秋の風情を詠んだこの詩には、美しさだけでなく、人の生き方や自然との関わりまでが描かれています。今回はそんな「山行」について、原文・現代語訳・登場語句の意味やテスト対策まで、徹底解説します!
目次
「山行」ってどんな話?
唐の詩人・杜牧が秋の山道を歩きながら自然の美しさや風情を詠んだ詩、それが「山行」です。一見、ただの風景描写に見えますが、その裏には人生観や時の流れの切なさも込められています。
超簡単に!秒でわかる!「山行」ってどんな話?
やっほー!今回は漢詩「山行」の話なんだけど、まじでカンタンに言うとね、「秋の山道歩いてたら、景色キレイすぎて感動した!」って感じ!山の中で赤い葉っぱがめちゃ映えてて、あー人生ってこういう瞬間だよな〜ってしみじみしちゃうの。杜牧っていうオジサンが昔書いたけど、今読んでもエモすぎ!
【原文】山行は自然と人生を重ねた詩
「山行」は自然の美しさと、それに心を打たれる詩人の感情を重ねた作品です。以下では、原文とそのやさしい現代語訳、情景描写のポイントを紹介していきます。
【現代語訳】いちばんやさしい訳で読んでみよう
原文:遠上寒山石径斜、白雲生処有人家。停车坐愛楓林晩、霜葉紅于二月花。
現代語訳:
寒い山を登っていくと、石の小道が斜めに続いている。
白い雲が立ちのぼるあたりに、ぽつんと家が見える。
私は楓の林があまりに美しくて、思わず馬を止めてしまった。
霜に色づいた葉は、春の花よりもずっと赤く鮮やかだった。
文ごとのポイント解説!意味と情景をつかもう
- 遠上寒山石径斜:遠くまで続く寒い山の石の小道。寒山は秋の冷え込んだ山、石径は石が敷かれた細い道。
- 白雲生処有人家:雲が立ち上る場所に見える一軒の家。人の気配があり、自然と人の共存が感じられます。
- 停车坐愛楓林晩:楓の林の美しさに魅了されて、馬を止めた。坐愛は「とどまって愛でる」という意味。
- 霜葉紅于二月花:霜にあたった葉は、春の花よりも赤くて美しい。人生の終盤も、それなりの美しさがあることを象徴。
【人物解説】杜牧とその生きた時代背景
杜牧(803-852)は、唐の後期の詩人で、儒教的な教養を持ちながらも、自然や感情の美しさを素直に表現するスタイルが特徴です。
彼が生きた時代は、唐の衰退期。政治は混乱し、理想と現実のギャップに苦しんだ知識人が多くいました。「山行」もまた、自然への癒しと孤独感がにじみ出ています。
テストに出る語句・問題まとめ
テストでよく問われる重要語句や表現、また出題されやすい問題のパターンをおさえておきましょう。
よく出る古語と意味
語句 | 意味 |
---|---|
寒山 | 秋の寒さが感じられる山 |
石径 | 石でできた山道 |
坐愛 | 座って愛でる、美しさに心を奪われる |
二月花 | 春の花(2月頃に咲く) |
これらの語句の意味を覚えておくと、現代語訳や情景理解がスムーズになります。
よくあるテスト問題の例
- 「停车坐愛楓林晩」とはどのような情景か説明しなさい。
- 「霜葉紅于二月花」に込められた感情を答えなさい。
- 作者の心情変化を説明しなさい。
これらの問題は、「情景描写」と「心情の読み取り」がキーワードになります。
覚え方のコツ!ストーリーで覚える古典
漢詩もストーリー仕立てで覚えると頭に入りやすいです。
- 山登り中の詩人が寒さを感じつつ石道を歩く
- 雲の先に人家を見つける→少しほっとする
- 楓の林が美しくて足を止める
- 秋の紅葉が春の花より美しいと感じる
この流れをイメージすると、詩の内容と気持ちがつながりやすくなります。
まとめ|「山行」で伝えたいことは「自然美と人生の深さ」
杜牧の「山行」は、ただの風景描写ではなく、人生の儚さや深みを詠んだ作品です。自然の中でふと足を止めたくなるような瞬間に、人生の美しさや切なさを感じさせてくれます。現代に生きる私たちにも通じる「今を感じる心」がここにあります。
発展問題にチャレンジ!
① 杜牧が感じた「無常」とはどんなものか、説明してみよう
回答例:
杜牧は、紅葉の美しさを春の花と比べて「霜葉紅于二月花」と表現しています。ここには、人生の終わりや老いの時期でも、春と同じように価値があるという思いが込められています。自然の移り変わりを通じて、すべてのものが変化し、やがて終わっていく「無常」を感じたのでしょう。
② 「霜葉紅于二月花」の場面から読み取れる、杜牧の心情の変化を考えよう
回答例:
最初は寒さの中を歩く姿が描かれていますが、楓の林の美しさに心を奪われ、馬を止めるほどになります。その変化から、杜牧は自然の美しさに感動し、人生の哀愁をしみじみと味わっている様子が伝わってきます。
③ 「いのち」とは何か、あなたの考えを四百字程度でまとめてみよう
回答例:
いのちは、長さだけでなく、その一瞬一瞬にどれだけ意味や感動があるかで価値が決まると思います。「山行」の中で杜牧は、晩秋の紅葉に深い感動を覚えました。春の花が生命の始まりを象徴するなら、霜葉は終わりに向かう過程の美しさです。どちらにも命の輝きがあると気づいたとき、私たちは「いま」を大切に生きることの意味を実感できます。