「東下り」はテストにもよく出る古典ですが、ただ暗記するのはもったいない!旅に出た主人公・在原業平の気持ちを知れば、和歌の意味もぐっと身近になります。このページでは、現代語訳・重要語句・よく出る問題をまとめて、スラスラ覚えられるように解説します!
「東下り」ってどんな話?
『伊勢物語』の中でも有名な第九段「東下り」は、主人公・在原業平(ありわらのなりひら)が都を離れて東国へ旅するエピソード。美しい自然と哀しみを和歌で表現した、旅情たっぷりの物語です。
超簡単に!秒でわかる!「東下り」ってどんな話?
ちょ、まって!在原業平くんってば、イケメンなのに何があったの!?都を離れて旅に出るとか、もう設定からしてドラマチックすぎない?
くねくねした八つ橋の上で詠んだ歌がこちら:
からころも きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる たびをしぞ思ふ
「ずっと一緒にいた人を思い出して、遠くまで旅してきた切なさを感じてる」って意味!
【原文】「東下り」は旅情と恋のミックスストーリー
【現代語訳】いちばんやさしい訳で読んでみよう
むかし、男ありけり。
→ むかし、ひとりの男がいました。
その男、身をえうなきものに思ひなして…
→ 世の中に必要ないと思い、都を離れて旅に出ました。
三河の国、八つ橋といふ所に至りぬ…
→ 三河の八つ橋に着きました。
からころも きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる たびをしぞ思ふ
→ 着慣れた衣のように親しんだ妻がいるからこそ、旅のつらさが身にしみる
文ごとのポイント解説!意味と情景をつかもう
- からころも:恋しい人を衣にたとえた比喩
- なれにし:慣れ親しんだ
- つましあれば:愛しい妻がいるからこそ
- たびをしぞ思ふ:旅の寂しさがしみじみ
【人物解説】在原業平の旅と心情を知ろう
在原業平は平安時代の貴族で六歌仙のひとり。『伊勢物語』のモデルとされる人物で、恋愛や政治的な事情から都を離れることに。旅先では、風景や感情を和歌にこめて詠む感受性の豊かさが光ります。
【在原業平】都を捨てた男の切なすぎる想い
業平は都での生活を捨て、自らの意思で旅に出ました。「つましあれば」は、愛しい人との別れを選んだ自分の苦しみも表しています。この歌は、恋の歌というより人生の選択と向き合う男の声でもあるのです。
テストに出る語句・問題まとめ
よく出る古語と意味
古語 | 意味 |
---|---|
つま | 妻・恋人 |
なれにし | 慣れ親しんだ |
はるばる | 遠くはなれて |
思ふ | しみじみ感じる |
よくあるテスト問題の例
- 和歌の意味を説明しなさい
- 「つま」とは誰を指すか
- 業平が旅に出た理由を述べなさい
覚え方のコツ!ストーリーで覚える古典
か・き・つ・ば・た の頭文字で始まる「折句」であることを覚えておこう。
言いたかったのは、「東下り」で伝えたいことは「人の心のはかなさと美しさ」
「東下り」は、ただの旅の記録ではなく、心の変化や人間の弱さ・優しさを描いた物語です。
「別れ」や「距離」が心を動かす力。業平の和歌には、自然の美しさと心の揺れが融合しています。
ここからは、学習をさらに深めるための発展問題にチャレンジしてみましょう。自分の言葉で表現する力も鍛えられます。
発展問題にチャレンジ!
① 在原業平が旅に出た「理由」とその意味を考えてみよう
解答例: 在原業平は、恋愛や身分上の問題などで都にいづらくなり、自ら旅に出ることを選びました。その背景には、都での華やかな生活への疲れや、人間関係の複雑さがあったと考えられます。旅は「逃避」ではなく、心を整理するための新たな一歩だったとも言えます。
② 八つ橋の場面にこめられた和歌の「心の動き」を読み取ろう
解答例: 八つ橋で詠んだ和歌には、遠く離れた妻への切ない想いが込められています。「からころも」という比喩を使い、愛しい人を衣に重ねて表現することで、業平の深い愛情が感じられます。旅の疲れと寂しさが、その場で一気にあふれた心の動きだと読み取れます。
③ あなた自身が「大切なものを失う旅」に出るとしたら、何を思う?400字で書いてみよう
解答例: 私にとっての「大切なもの」は家族です。もし一人で遠くへ旅に出ることになったら、きっと不安で、心細くて、何度もふり返ってしまうと思います。でもその分、日常では当たり前だった