目次
再読文字とは何か
漢文を学習する中で、多くの高校生が苦戦するのが再読文字です。再読文字は漢文読解の基礎となる重要な要素で、これをマスターすることで漢文の理解が格段に深まります。この章では、再読文字の基本的な概念から、なぜ重要なのか、そして返り点との関係まで、わかりやすく解説していきます。
再読文字は一見難しそうに見えますが、ルールを理解すれば誰でも使いこなせるようになります。まずは焦らず、基礎からしっかり固めていきましょう。
再読文字の定義と特徴
再読文字とは、一つの漢字を二度読む特殊な読み方をする文字のことです。具体的には、最初に副詞として読み、次に動詞として読むという二段階の読み方をします。
例えば「未」という文字を見てみましょう。この文字は「いまだ〜ず」と読みます。「いまだ」の部分が一回目の読み(副詞的用法)、「ず」の部分が二回目の読み(否定の助動詞)になります。つまり、一つの文字から二つの意味要素を読み取るのが再読文字の大きな特徴なのです。
再読文字の主な特徴をまとめると、以下のようになります。
- 一字で二つの役割を果たす – 副詞と動詞の両方の機能を持つ
- 返り点を使って読む – レ点や一二点などを使って読み方を示す
- 否定や推量の意味を含む – 多くの再読文字は否定や推量を表す
- 決まった読み方がある – それぞれの文字に固有の読み方が決まっている
これらの特徴を理解することで、再読文字を含む漢文を正確に読解できるようになります。最初は複雑に感じるかもしれませんが、パターンを覚えてしまえば自然と読めるようになります。実際、定期テストでも頻出するため、確実に押さえておきたいポイントです。
なぜ再読文字が重要なのか
再読文字が漢文学習において重要な理由は、文章全体の意味を正確に理解するための鍵となるからです。再読文字を正しく読めないと、文章の意味が大きく変わってしまうことがあります。
たとえば「未完成」という言葉を考えてみましょう。「未」は「いまだ〜ず」と読み、「まだ〜していない」という意味になります。これを単に「未」と一度だけ読んでしまうと、完成していないという重要な情報が抜け落ちてしまいます。
定期テストや大学入試では、再読文字の理解度を問う問題が必ず出題されます。具体的には次のような形式で出題されることが多いです。
- 書き下し文を作成する問題
- 現代語訳を行う問題
- 返り点を付ける問題
- 再読文字の読み方を答える問題
これらの問題で得点するためには、再読文字の正確な理解が不可欠です。東京大学や早稲田大学などの難関大学の入試問題でも、再読文字を含む複雑な漢文が出題されます。河合塾や駿台予備学校の模試でも、再読文字は必須項目として扱われています。基礎をしっかり固めることで、応用問題にも対応できる力が身につきます。
再読文字と返り点の関係
再読文字を理解する上で、返り点との関係を把握することは非常に重要です。返り点は漢文を日本語の語順で読むための記号ですが、再読文字の場合は特別な使い方をします。
通常の漢文では、返り点に従って後ろから前に戻りながら読んでいきます。しかし再読文字の場合は、一つの文字を二度読むため、返り点の付け方にも特徴があります。多くの場合、再読文字にはレ点が付けられ、その後の文字を読んでから、再読文字の二回目の読み(助動詞部分)を読みます。
例を見てみましょう。
| 漢文 | 返り点 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|---|
| 未レ完 | レ点 | いまだ完らず | まだ完成していない |
| 将レ行 | レ点 | まさに行かんとす | 今にも行こうとしている |
| 須レ知 | レ点 | すべからく知るべし | 当然知るべきだ |
この表からわかるように、再読文字には基本的にレ点が付き、後ろの動詞を先に読んでから、再読文字の二回目の部分を読むというパターンが一般的です。この読み方のルールを理解することで、複雑な漢文も正確に読解できるようになります。返り点と再読文字の関係を理解することは、漢文読解の基礎中の基礎といえるでしょう。
代表的な再読文字の種類と読み方
再読文字には様々な種類がありますが、定期テストや入試で頻出するものは限られています。この章では、特に重要な再読文字を取り上げ、それぞれの読み方と意味を詳しく解説していきます。
再読文字を覚える際は、単に暗記するのではなく、それぞれの文字が持つ意味やニュアンスを理解することが大切です。文脈の中でどのように使われるかを知ることで、実際の問題でも正確に判断できるようになります。
未・将の使い方
未(いまだ〜ず)は、再読文字の中でも最も基本的で、使用頻度が高い文字です。「まだ〜していない」という意味を表し、未然・未完了の状態を示します。
「未」の使い方を詳しく見ていきましょう。「未」は否定の意味を含む再読文字で、何かがまだ実現していない状態を表現します。例えば「未レ到」という場合、「いまだ到らず」と読み、「まだ到着していない」という意味になります。高校の教科書では、『論語』や『孟子』などの古典で頻繁に登場します。
一方、将(まさに〜んとす)は、「今にも〜しようとしている」という意味を表します。これは近未来の動作や意志を示す再読文字です。「将」は否定ではなく、むしろ積極的な意味を持つ点が「未」との大きな違いです。
| 再読文字 | 読み方 | 意味 | 例文 | 訳 |
|---|---|---|---|---|
| 未 | いまだ〜ず | まだ〜していない | 未レ見 | まだ見ていない |
| 将 | まさに〜んとす | 今にも〜しようとする | 将レ帰 | 今にも帰ろうとする |
これら二つの再読文字は対照的な意味を持ちます。「未」は否定的・消極的、「将」は肯定的・積極的という違いを理解しておくと、文脈から適切に判断できるようになります。Z会の『漢文道場』や東進ハイスクールの教材でも、この二つは最初に学ぶ重要項目として扱われています。
猶・由・盍の特徴
やや難易度の高い再読文字として、猶(なお〜のごとし)、由(なお〜のごとし)、盍(なんぞ〜ざる)があります。これらは定期テストよりも、大学入試で出題されることが多い文字です。
猶と由は、どちらも「なお〜のごとし」と読み、「ちょうど〜のようだ」という比喩や類推を表します。両者は読み方が同じですが、使われる文脈や頻度に若干の違いがあります。一般的には「猶」の方がより頻繁に使用されます。
例えば「猶レ可」であれば「なお可なるがごとし」と読み、「まだ何とかなりそうだ」といった意味になります。この表現は、何かを別のものに例えて説明する際に使われます。
盍(なんぞ〜ざる)は、反語を表す再読文字です。「どうして〜しないのか(いや、〜すべきだ)」という強い勧誘や提案の意味を持ちます。この文字は『論語』などの古典に登場し、相手に何かを促す場面で使われます。
- 猶・由 – 比喩や例えを示す、比較的穏やかな表現
- 盍 – 反語で強い勧誘を表す、やや強い表現
これらの再読文字は、慶應義塾大学や上智大学などの私立難関大学の入試で出題されることがあります。河合塾の『漢文ヤマのヤマ』などの参考書で重点的に学習することをおすすめします。文脈から意味を推測する練習を積むことで、初見の問題にも対応できる力が身につきます。
須・応・当・宜の違い
須(すべからく〜べし)、応(まさに〜べし)、当(まさに〜べし)、宜(よろしく〜べし)は、いずれも当然・義務を表す再読文字です。これらは意味が似ているため、混同しやすい文字群です。
まず須について説明します。「須」は「すべからく〜べし」と読み、「当然〜すべきである」という強い義務や必要性を表します。「すべからく」は「すべて」という意味ではなく、「当然」という意味なので注意が必要です。多くの高校生がこの点を間違えやすいので、しっかり覚えておきましょう。
応と当は、どちらも「まさに〜べし」と読み、「当然〜すべきだ」という意味を表します。両者はほぼ同じ意味で使われますが、「応」の方がやや使用頻度が高い傾向があります。
宜は「よろしく〜べし」と読み、「〜するのが適切だ」という意味を表します。他の三つと比べると、やや柔らかい表現になります。
| 再読文字 | 読み方 | 意味の強さ | ニュアンス |
|---|---|---|---|
| 須 | すべからく〜べし | 強 | 絶対的な義務 |
| 応・当 | まさに〜べし | 中 | 当然の義務 |
| 宜 | よろしく〜べし | 弱 | 適切な行為 |
これらの再読文字は、駿台予備学校の『漢文標準問題精講』や、代々木ゼミナールの教材で詳しく解説されています。実際の入試問題では、文脈からどの程度の強制力があるかを判断することが求められます。違いを理解することで、より正確な現代語訳ができるようになります。
再読文字の訳し方のコツ
再読文字を正しく理解できても、適切に訳せなければ意味がありません。この章では、再読文字を含む漢文を自然な日本語に訳すためのコツを伝授します。
訳出の際は、単に読み方をそのまま訳すのではなく、文脈に合わせた自然な表現を心がけることが重要です。定期テストでも、不自然な直訳ではなく、意味の通った訳が求められます。
基本的な訳出パターン
再読文字の訳出には、基本パターンがあります。このパターンを覚えておけば、ほとんどの再読文字を正確に訳すことができます。
まず重要なのは、二段階で訳すという意識を持つことです。再読文字は一回目の読み(副詞部分)と二回目の読み(助動詞部分)があるため、それぞれを適切に訳出する必要があります。
例えば「未レ来」という文を訳す場合を考えてみましょう。
- 書き下し文:いまだ来たらず
- 直訳:まだ来ていない
- 自然な訳:まだ到着していない
このように、書き下し文から直訳、そして自然な訳へと段階的に訳出していくのが基本です。
主な再読文字の訳出パターンをまとめると以下のようになります。
- 未(いまだ〜ず) → まだ〜していない
- 将(まさに〜んとす) → 今にも〜しようとしている、〜するつもりだ
- 須(すべからく〜べし) → 当然〜すべきである、必ず〜しなければならない
- 応・当(まさに〜べし) → 当然〜すべきだ、〜するはずだ
- 宜(よろしく〜べし) → 〜するのが適切だ、〜するのがよい
これらの基本パターンを押さえた上で、文脈に応じて自然な日本語に調整していきます。駿台文庫の『漢文解釈の基礎』や、旺文社の『基礎からのジャンプアップノート漢文』などの参考書では、このような訳出の基本がわかりやすく解説されています。パターンを覚えることで、初見の問題でも正確に訳せるようになります。
文脈による意味の違い
再読文字は、文脈によって訳し方を変える必要がある場合があります。同じ再読文字でも、前後の文や全体の流れによって、最適な訳が異なることがあるのです。
例えば「将」という再読文字を見てみましょう。基本的には「まさに〜んとす(今にも〜しようとする)」と訳しますが、文脈によっては以下のような訳し方も可能です。
- 意志を強調する場合:〜するつもりだ、〜しようと思う
- 近い未来を示す場合:もうすぐ〜する、間もなく〜する
- 推測を含む場合:おそらく〜するだろう
また、「須」についても同様です。「すべからく〜べし」という基本の読み方は変わりませんが、訳し方は文脈に応じて調整します。
- 強い義務の場合:必ず〜しなければならない
- 当然の理の場合:当然〜すべきである
- アドバイスの場合:〜するのがよい
文脈を判断する際のポイントは、前後の文の内容と話者の意図を考えることです。命令や忠告の文脈なのか、単なる説明なのか、感情を込めた表現なのかによって、適切な訳が変わってきます。
早稲田大学や明治大学などの入試問題では、このような文脈判断力が問われます。単なる暗記ではなく、文章全体を読んで意味を理解する力が必要です。河合塾の『得点奪取漢文』などで、様々な文脈での訳出練習を積むことをおすすめします。
よくある間違いと対策
再読文字の訳出で、多くの高校生がつまずきやすいポイントがあります。これらの間違いを事前に知っておくことで、テストでのミスを防ぐことができます。
最も多い間違いは、「すべからく」を「すべて」と解釈してしまうことです。「須レ読」を「すべて読むべし」と訳してしまうケースが非常に多いのですが、正しくは「当然読むべきである」となります。「すべからく」は「当然」「必ず」という意味であって、「すべて」「全て」という意味ではないので注意しましょう。
その他の典型的な間違いをまとめます。
| 間違った訳 | 正しい訳 | 再読文字 |
|---|---|---|
| すべて知るべし | 当然知るべきである | 須レ知 |
| まだ到る | まだ到っていない | 未レ到 |
| 今行く | 今にも行こうとする | 将レ行 |
| よろしく来る | 来るのが適切だ | 宜レ来 |
また、二回目の読みを忘れるという間違いも頻発します。「未」を「いまだ」とだけ訳して「ず」を忘れる、「将」を「まさに」とだけ訳して「んとす」を忘れるといったケースです。再読文字は必ず二度読むという原則を忘れないようにしましょう。
対策としては、以下の点を意識することが効果的です。
- 書き下し文を必ず書いてから訳す
- 「すべからく」の意味を特に注意して覚える
- 練習問題で実際に訳出する経験を積む
- 間違えた問題は必ず見直して、なぜ間違えたかを分析する
東進ハイスクールの『漢文トレーニング』や、学研の『漢文ステップアップノート』では、このようなよくある間違いを意識した問題が多く収録されています。間違いやすいポイントを重点的に学習することで、確実に得点力を上げることができます。
再読文字の覚え方と練習方法
再読文字をしっかり理解したら、次は確実に覚える段階に入ります。この章では、効率的な暗記法と実践的な練習方法を紹介します。定期テストで高得点を取るためには、知識を定着させる工夫が必要です。
単に繰り返し書いて覚えるのではなく、理解を伴った記憶が重要です。それぞれの再読文字の意味やニュアンスを理解した上で覚えることで、長期記憶として定着しやすくなります。
効果的な暗記テクニック
再読文字を効率よく覚えるには、体系的な暗記法を使うことが重要です。ここでは、多くの受験生が実践して成功している方法を紹介します。
まず最も効果的なのが、グループ分けして覚える方法です。再読文字を意味のグループに分けることで、覚えやすくなります。
- 否定グループ:未(いまだ〜ず)
- 意志・近未来グループ:将(まさに〜んとす)
- 義務グループ:須(すべからく〜べし)、応・当(まさに〜べし)、宜(よろしく〜べし)
- 比喩グループ:猶・由(なお〜のごとし)
- 反語グループ:盍(なんぞ〜ざる)
このようにグループ分けすることで、似た意味の再読文字をまとめて覚えられ、混同を防ぐことができます。
次に効果的なのが、例文とセットで覚える方法です。単独で文字だけを覚えるのではなく、実際の使用例と一緒に覚えることで、記憶に残りやすくなります。
| 再読文字 | 例文(漢文) | 書き下し文 | 意味 |
|---|---|---|---|
| 未 | 未レ聞 | いまだ聞かず | まだ聞いていない |
| 将 | 将レ往 | まさに往かんとす | 今にも行こうとする |
| 須 | 須レ学 | すべからく学ぶべし | 当然学ぶべきだ |
さらに、音読して覚えることも非常に効果的です。書き下し文を声に出して読むことで、耳からも覚えることができます。視覚と聴覚の両方を使うことで、記憶の定着率が高まります。特に「いまだ〜ず」「まさに〜んとす」「すべからく〜べし」といったリズミカルな読み方は、音読に向いています。
駿台予備学校や河合塾の講師も、音読の重要性を強調しています。1日10分でもよいので、継続して音読練習を行うことをおすすめします。
実践問題で力をつける
暗記した知識を実際に使える力に変えるには、問題演習が欠かせません。ここでは、効果的な練習問題の取り組み方を紹介します。
まず初級レベルとして、基本的な書き下し問題から始めましょう。簡単な文から始めることで、自信をつけながら学習を進められます。
練習問題の例を見てみましょう。
問題1:次の漢文を書き下し文にしなさい
- 未レ達
- 将レ帰
- 須レ努
解答
- いまだ達せず(まだ到達していない)
- まさに帰らんとす(今にも帰ろうとする)
- すべからく努むべし(当然努力すべきだ)
次に、現代語訳の問題に挑戦します。書き下し文から自然な現代語に訳す練習です。
問題2:次の書き下し文を現代語訳しなさい
- いまだ知らず
- まさに出でんとす
- よろしく読むべし
解答
- まだ知らない
- 今にも出発しようとしている
- 読むのが適切だ
さらにレベルアップして、長文の中での使用を意識した問題にも取り組みましょう。文脈の中で再読文字を正しく理解できるかが問われます。
問題演習の際のポイントは以下の通りです。
- 間違えた問題は必ず解説を読んで理解する
- なぜ間違えたのか、原因を分析する
- 同じタイプの問題を繰り返し解く
- 時間を計って解く練習もする
旺文社の『全訳古語辞典』や、三省堂の『漢文必携』などを参考書として活用すると、より深い理解ができます。また、代々木ゼミナールのオンライン講座や、スタディサプリの漢文講座でも、実践的な問題演習ができます。継続的に問題を解くことで、確実に力がついていきます。
定期テスト頻出パターン
定期テストでは、再読文字に関する問題が決まったパターンで出題されることが多いです。このパターンを知っておくことで、効率的にテスト対策ができます。
漢文テスト対策完全ガイド|高校生が確実に点数アップする勉強法
最も頻出するのが、書き下し文作成問題です。漢文に返り点が付いていて、それを書き下し文にする問題です。この問題では、再読文字を正確に二度読めるかが問われます。
次に多いのが、現代語訳問題です。再読文字を含む一文を現代語に訳す問題で、意味を正確に理解しているかがテストされます。特に「すべからく」の意味を間違えないように注意が必要です。
定期テストでよく出る問題パターンをまとめます。
| 問題タイプ | 出題頻度 | 対策ポイント |
|---|---|---|
| 書き下し文作成 | 非常に高い | 返り点と再読文字の読み方を確実に |
| 現代語訳 | 非常に高い | 自然な日本語に訳す練習 |
| 返り点記入 | 高い | 再読文字にはレ点が基本 |
| 穴埋め問題 | 中程度 | 文脈から適切な再読文字を選ぶ |
| 間違い指摘 | 中程度 | よくある間違いパターンを覚える |
また、定期テストでは教科書の本文から出題されることが多いため、教科書の例文を完璧にすることが最も効果的な対策になります。教科書に出てくる再読文字を含む文は、全て書き下し文と現代語訳ができるようにしておきましょう。
テスト前の総仕上げとしては、以下の手順がおすすめです。
- 再読文字の一覧表を見直す
- 教科書の重要例文を音読する
- 過去問や類題を時間を計って解く
- 間違えた問題を重点的に復習する
多くの高校では、定期テストの1週間前からテスト範囲が発表されます。その時点で集中的に再読文字の復習をすることで、確実に得点できるようになります。学研の『一問一答漢文』や、文英堂の『シグマベスト漢文』などの問題集を活用すると、効率的に対策ができます。
難しい再読文字の攻略法
基本的な再読文字をマスターしたら、次はより難易度の高い内容に挑戦しましょう。この章では、複雑な文での再読文字の使い方や、大学入試レベルの応用問題への対応方法を解説します。
難関大学を目指す場合、基本的な再読文字だけでなく、複雑な文脈での理解が求められます。ここでしっかり力をつけることで、入試本番でも自信を持って解答できるようになります。
複雑な文での使い分け
実際の漢文では、複数の再読文字が一つの文に登場することもあります。また、他の文法要素と組み合わさることで、より複雑な意味を表現することもあります。
例えば、「未レ将レ行」のように、複数の再読文字が続く場合があります。この場合、それぞれの再読文字を順序正しく処理する必要があります。「いまだまさに行かんとせず」と読み、「まだ行こうとしていない」という意味になります。
また、再読文字と助字(之・於・以など)が組み合わさる場合もあります。「未レ之レ知」であれば、「いまだこれを知らず」と読みます。助字の処理と再読文字の処理を同時に行う必要があるため、難易度が上がります。
複雑な文を読解する際のポイントは以下の通りです。
- 返り点を丁寧に確認する
- まず文の構造を把握する
- 再読文字を一つずつ処理する
- 全体の意味を考えながら訳す
さらに、否定表現と再読文字の組み合わせも注意が必要です。「不レ須レ行」(行くべからず)のように、否定の「不」と再読文字の「須」が組み合わさることがあります。
| 漢文 | 書き下し文 | 現代語訳 |
|---|---|---|
| 未レ将レ往 | いまだまさに往かんとせず | まだ行こうとしていない |
| 不レ須レ言 | 言うべからず | 言ってはいけない |
| 未レ之レ見 | いまだこれを見ず | まだそれを見ていない |
東京大学や京都大学の入試問題では、このような複雑な文が頻繁に出題されます。Z会の『最難関大学への漢文』や、河合塾の『トップレベル漢文』などで、難易度の高い問題に慣れておくことが重要です。一見複雑に見える文も、基本を押さえていれば必ず解けるということを覚えておいてください。
大学入試レベルの問題対策
大学入試では、再読文字を深く理解しているかが問われます。単に暗記しているだけでは不十分で、文脈に応じた適切な判断力が求められます。
大学入試における再読文字の出題傾向を見てみましょう。国公立大学では、記述式で書き下し文や現代語訳を求められることが多く、正確な理解が必須です。一方、私立大学では選択式が多いものの、紛らわしい選択肢が用意されているため、確実な知識が必要です。
特に難関大学で頻出するのが、以下のようなタイプの問題です。
- 文脈判断問題 – 同じ再読文字でも文脈によって訳し方を変える必要がある
- 理由説明問題 – なぜその再読文字が使われているのか説明する
- 比較問題 – 複数の再読文字の違いを説明する
- 複合問題 – 再読文字と他の文法事項を組み合わせた問題
例えば、早稲田大学の過去問では、「須」と「応」の使い分けについて説明を求める問題が出題されたことがあります。また、慶應義塾大学では、複雑な否定表現の中での再読文字の理解を問う問題が頻出します。
大学入試対策のポイントは以下の通りです。
- 過去問研究 – 志望校の過去問を最低5年分は解く
- 時間配分の練習 – 漢文に何分かけるか決めて練習する
- 記述対策 – 自分の言葉で説明する練習をする
- 類題演習 – 同レベルの大学の問題も解いてみる
共通テストでは、再読文字の基本的な理解を問う問題が出題されます。選択式なので、消去法も使えますが、正確な知識があれば素早く解答できます。共通テスト対策としては、駿台の『共通テスト実戦問題集 漢文』や、河合塾の『共通テスト総合問題集 漢文』が役立ちます。
共テ漢文で高得点を狙う!効果的な勉強法と塾・予備校選びのポイント
参考書と問題集の活用法
効率的に学習を進めるには、自分のレベルに合った参考書と問題集を選ぶことが重要です。ここでは、レベル別におすすめの教材と、その効果的な使い方を紹介します。
漢文が苦手な受験生必見!成績を劇的に上げるおすすめ参考書と勉強法
初級者向け(定期テスト対策レベル)
漢文を初めて学ぶ人や、基礎から固めたい人には、以下の教材がおすすめです。
- 『漢文ヤマのヤマ』(学研) – 最も基本的な参考書。再読文字の基礎が丁寧に解説されている
- 『ステップアップノート10 漢文句形ドリルと演習』(河合出版) – 書き込み式で基礎を固められる
- 『基礎からのジャンプアップノート 漢文句法・演習ドリル』(旺文社) – 短期間で基礎が身につく
これらの参考書は、再読文字を含む基本句形を体系的に学べます。1冊を繰り返し学習することで、確実に基礎力がつきます。
中級者向け(共通テスト・中堅私大レベル)
基礎を固めた後は、入試レベルの問題に挑戦しましょう。
- 『漢文道場』(Z会) – 入試問題を解きながら実力をつける
- 『漢文早覚え速答法』(学研) – 効率的な解法テクニックが学べる
- 『得点奪取漢文』(河合出版) – 記述対策に最適
上級者向け(難関大学レベル)
難関大学を目指す人には、以下の教材が効果的です。
- 『漢文標準問題精講』(旺文社) – 難関大学の過去問を厳選
- 『最強の漢文』(Z会) – 最高レベルの問題で実力を試せる
- 『入試精選問題集 漢文』(河合出版) – 東大・京大レベルの問題が豊富
参考書の効果的な使い方は以下の通りです。
- まず一通り読んで全体像を把握する
- 例題を自分で解いてみる
- 解説をしっかり読んで理解する
- 間違えた問題には印をつけ、後で見直す
- 2周目、3周目と繰り返し学習する
また、予備校の講座も活用できます。駿台予備学校の漢文講座、河合塾の漢文特訓講座、東進ハイスクールの漢文講座など、それぞれに特色があります。通学が難しい場合は、スタディサプリの漢文講座もおすすめです。プロの講師から直接学ぶことで、独学では気づきにくいポイントを理解できます。
教材は複数を並行して使うよりも、1冊を完璧にする方が効果的です。自分のレベルと目標に合った教材を選び、徹底的にやり込むことで、再読文字を完全にマスターできます。
