古文が苦手な理由を知ろう
古文を克服するためには、まず自分がなぜ古文を苦手だと感じているのかを明確にすることが大切です。多くの高校生が古文でつまずくポイントには共通点があります。原因を知ることで、効率的な対策が立てられるようになります。ここでは、古文学習で多くの人が直面する代表的な困難について見ていきましょう。自分に当てはまるものがあれば、それが克服への第一歩となります。
古文が難しく感じる3つの原因
古文が難しいと感じる原因は、大きく分けて3つあります。言葉の違い、文法の複雑さ、そして文化的背景の不足です。
まず言葉の違いについてですが、古文で使われている単語は現代語とは全く異なるものが多く存在します。例えば「あはれなり」は「しみじみとした情趣がある」という意味で、現代語の「哀れ」とはニュアンスが違います。このような古語と現代語の意味のズレが、文章理解を難しくしています。
次に文法の複雑さです。古文には助動詞が多く、それぞれが複数の意味を持っています。「む」という助動詞一つとっても、推量・意志・勧誘・仮定など、文脈によって意味が変わります。さらに活用形も覚える必要があるため、暗記すべき事項が膨大に感じられるのです。
最後に文化的背景の不足です。平安時代の貴族社会や当時の価値観を知らないと、登場人物の行動や心情が理解できません。例えば「源氏物語」を読む際、当時の結婚制度や身分制度を知らなければ、物語の本質が見えてきません。現代とは全く異なる世界観が、古文を遠い存在にしているのです。
これら3つの原因は、適切な学習方法で克服できます。まずは自分がどこでつまずいているのかを把握し、そこから対策を始めましょう。
現代語との違いが混乱を招く
古文学習で最初に戸惑うのが、現代語と似ているようで全く違う言葉の存在です。この「似て非なるもの」が、古文理解の大きな壁となっています。
代表的な例として「あやし」という言葉があります。現代語では「怪しい」と書いて不審なという意味ですが、古文では「不思議だ」「身分が低い」「粗末だ」など複数の意味を持ちます。このように、同じ漢字でも意味が全く異なるケースが非常に多いのです。
また「をかし」と「あはれ」は古文で頻出する美的感覚を表す言葉ですが、現代語に直訳すると本来の意味が失われてしまいます。「をかし」は「趣がある、興味深い」という知的な美しさを、「あはれ」は「しみじみとした情趣」という感情的な美しさを表現しています。こうした古典独特の美意識は、現代語訳だけでは伝わりにくいのです。
さらに厄介なのが、現代語と同じ形なのに意味が違う言葉です。「ありがたし」は現代では感謝の意味ですが、古文では「めったにない、珍しい」という意味になります。このような偽りの友人(False Friends)的な単語が、読解を混乱させる大きな原因となっています。
対策としては、古語辞典を積極的に引く習慣をつけることです。東京大学や早稲田大学の入試でも、古語の正確な理解が問われます。一つ一つの言葉を丁寧に調べ、古文における本来の意味を確認する作業が、確実な読解力につながります。
文法用語の多さに圧倒される
古文文法を学び始めると、聞き慣れない専門用語が次々と登場します。係り結び、連体形、已然形、未然形など、これらの用語だけで頭が混乱してしまう人も少なくありません。
特に活用形の名称は、現代語文法とも異なるため理解が難しくなっています。動詞の活用形は「未然・連用・終止・連体・已然・命令」の6つありますが、それぞれがどういう意味なのか、なぜその名前なのかを理解しないまま暗記しようとすると、すぐに忘れてしまいます。
また助動詞の接続も複雑です。「む」「べし」「まじ」などの助動詞は、それぞれ特定の活用形に接続します。例えば「む」は未然形接続、「けり」は連用形接続です。この接続のルールを覚えることも、初学者には大きな負担となります。
さらに係り結びの法則は、古文独特の文法規則です。「ぞ・なむ・や・か」が文中にあると、文末が連体形で結ばれ、「こそ」があると已然形で結ばれます。この係助詞と結びの対応を理解し、実際の文章で見分けられるようになるまでには練習が必要です。
河合塾や駿台予備校の古文講座では、これらの文法用語を単なる暗記ではなく、実際の文章の中で理解するアプローチを取っています。用語を覚えることが目的ではなく、文章を正確に読むための道具として文法を学ぶという姿勢が重要なのです。
背景知識不足で内容が理解できない
古文を読む上で、平安時代や鎌倉時代の歴史的・文化的背景知識は欠かせません。当時の常識が現代とは大きく異なるため、背景知識がないと登場人物の行動や心情が理解できないのです。
例えば「枕草子」や「源氏物語」に登場する貴族たちの生活様式を知らないと、文章の面白さが半減してしまいます。寝殿造りの構造、十二単の着方、年中行事の意味など、当時の生活文化を知ることで、文章がより深く理解できるようになります。
また仏教思想や陰陽道の影響も大きく反映されています。「方違え」「物忌み」「御祓え」といった習慣は、陰陽道の考え方に基づいています。「無常観」や「往生」という概念は仏教思想から来ています。こうした宗教的・思想的背景を知らないと、作品のテーマそのものが理解できません。
さらに当時の身分制度や結婚制度も重要です。平安時代の結婚は「通い婚」が基本で、男性が女性のもとに通う形式でした。また身分によって許される行動や発言が厳しく制限されていました。このような社会制度の知識があれば、登場人物の悩みや葛藤がリアルに感じられます。
慶應義塾大学や上智大学の入試問題では、こうした背景知識を問う問題も出題されます。古文の参考書だけでなく、日本史の教科書や資料集も活用して、時代背景を学ぶことが効果的です。
古文克服の第一歩は基礎固めから
古文を本格的に克服するには、確実な基礎固めが不可欠です。建物と同じで、土台がしっかりしていなければ、どんなに勉強しても成績は伸びません。特に古典文法と古語の知識は、すべての古文読解の基盤となります。ここでは、効率的に基礎を身につける方法を具体的に紹介します。焦らず一つずつ確実に習得することで、必ず古文が読めるようになります。
古典文法の基本を押さえる
古典文法の学習で最も重要なのは、動詞・助動詞・助詞の3つを確実にマスターすることです。この3つが古文読解の核心部分だからです。
まず動詞については、四段・上一段・上二段・下一段・下二段・カ変・サ変・ナ変・ラ変の9種類の活用を覚える必要があります。最初は大変に思えますが、実は規則的なパターンがあります。例えば四段活用は「書く」なら「か・き・く・く・け・け」と、ア・イ・ウ・ウ・エ・エの順に活用します。このパターンを理解すれば、他の四段活用動詞にも応用できます。
助動詞は全部で28個ほどありますが、すべてを一度に覚える必要はありません。まずは頻出の「む・べし・けり・り・き・ず・じ・まじ」の8つから始めましょう。これらは入試でも定期テストでも必ず出題されます。それぞれの意味と接続を確実に覚えることが先決です。
助詞では特に係助詞が重要です。「ぞ・なむ・や・か・こそ」の5つは、係り結びの法則に関わるため、文章構造の理解に直結します。また格助詞の「が・の・を・に・へ・と・より」も、現代語とは用法が異なる場合があるので注意が必要です。
おすすめの参考書として、「ステップアップノート30古典文法基礎ドリル」(河合出版)や「富井の古典文法をはじめからていねいに」(東進ブックス)があります。これらは基礎から段階的に学べる構成になっており、独学でも十分に理解できます。毎日30分でも継続すれば、2ヶ月程度で基本が身につきます。
重要古語を効率的に覚える方法
古語の暗記は、古文学習において避けて通れない道です。しかし闇雲に覚えるのではなく、効率的な方法を使えば、短期間で必要な語彙を習得できます。
まず覚えるべき古語の数ですが、定期テスト対策なら200語程度、大学入試を目指すなら600〜800語程度が目安です。この数を聞くと気が遠くなるかもしれませんが、実は頻出語は限られています。上位100語を覚えるだけで、古文の理解度は大きく向上します。
効率的な暗記法として、「語源から覚える方法」があります。例えば「あはれなり」は「ああ、はれ(晴れ)」という感嘆から来ているとされ、心が晴れ晴れするような感動を表します。「をかし」は「招く(をく)」が語源で、興味を引き寄せられる様子を意味します。このように語源や成り立ちを知ると、意味が記憶に定着しやすくなります。
また古語は「イメージ」で覚えることも効果的です。単語帳に例文と一緒にイラストや場面を書き込むと、視覚的に記憶できます。「いとほし」なら「気の毒だ」という意味ですが、かわいそうな場面をイメージすると忘れにくくなります。
おすすめの単語集は「読んで見て覚える重要古文単語315」(桐原書店)や「古文単語ゴロゴ」(スタディカンパニー)です。前者はイラストが豊富で視覚的に覚えられ、後者は語呂合わせで楽しく暗記できます。また「マドンナ古文単語230」(学研)は、テーマ別に単語が整理されているため、関連づけて覚えやすい構成になっています。
暗記は一度で完璧にしようとせず、繰り返し復習することが大切です。1日目に10語、2日目にその10語を復習しつつ新たに10語、3日目に20語を復習しつつ新たに10語というように、反復学習を取り入れましょう。
助動詞と助詞を完全マスター
古文読解の正確性を左右するのが、助動詞と助詞の理解度です。これらは文章の意味を決定する重要な要素なので、完全にマスターする必要があります。
助動詞の学習では、まず「意味・接続・活用」の3点セットで覚えることが基本です。例えば助動詞「む」なら、意味は「推量・意志・勧誘・仮定・婉曲・適当」の6つ、接続は「未然形」、活用は「○・○・む・む・め・○」(四段型)となります。この3点セットを必ずセットで覚えることで、実際の文章で正しく識別できるようになります。
特に識別が必要な助動詞があります。「る・らる」は受身・尊敬・自発・可能の4つの意味があり、文脈で判断する必要があります。「き・けり」はどちらも過去を表しますが、「き」は直接体験した過去、「けり」は伝聞や気づきの過去という違いがあります。また「なり」には断定と伝聞の2種類があり、接続が異なります(断定は体言・連体形接続、伝聞は終止形接続)。
助詞については、係助詞の係り結びを完璧にすることが最優先です。「ぞ・なむ・や・か」は連体形で結び、「こそ」は已然形で結ぶという法則は、古文読解の基本中の基本です。係り結びを見抜けるようになると、文の切れ目が分かり、長文も読みやすくなります。
練習問題を解く際は、文章中の助動詞・助詞に印をつけながら読む習慣をつけましょう。例えば係助詞を○で囲み、結びの語を□で囲むなど、視覚的に確認できる工夫をすると効果的です。代々木ゼミナールの古文講座では、こうした「マーキング読解法」を推奨しています。
音読で古文のリズムに慣れる
古文学習で意外と効果的なのが音読です。声に出して読むことで、古文独特のリズムや語感が身につき、読解スピードも格段に上がります。
音読の効果は科学的にも証明されています。声に出すことで視覚・聴覚・発声という3つの感覚を使うため、記憶の定着率が高まるのです。また古文は本来、声に出して読まれることを前提に書かれた文章が多く、音読することで作者の意図したリズムを体感できます。
音読の方法としては、まず教科書の本文を毎日10分間音読することから始めましょう。最初は意味が分からなくても構いません。何度も繰り返すうちに、自然とフレーズが頭に入ってきます。「竹取物語」の冒頭「今は昔、竹取の翁といふものありけり」などは、リズムが良いので音読に最適です。
さらに効果を高めるには、現代語訳と照らし合わせながら音読する方法があります。まず古文を音読し、次に現代語訳を音読し、もう一度古文を音読するという3回音読法です。これにより、古文と現代語の対応関係が自然に身につきます。
また有名な古文作品の朗読音声をネットで探して聞くのも効果的です。プロのアナウンサーや声優による朗読は、正しいアクセントやイントネーションを学べます。YouTubeなどで「古文 朗読」と検索すると、多くの音声が見つかります。通学時間などに聞くだけでも、古文に対する抵抗感が減っていきます。
音読は一人でできる学習法なので、塾に通わなくても実践できます。ただし発音が不安な場合は、学校の先生に確認してもらうとよいでしょう。
定期テスト対策に効く実践的勉強法
定期テストで高得点を取ることは、古文克服への大きな自信につながります。テスト範囲が限られているため、適切な対策をすれば確実に点数を上げることができます。ここでは、定期テスト1〜2週間前から始められる実践的な勉強法を紹介します。これらの方法は、実際に多くの高校生が成果を上げている効果実証済みのテクニックです。短期間で結果を出し、古文への苦手意識を克服しましょう。
教科書本文の徹底理解が鍵
定期テストでは、ほぼ確実に教科書本文から出題されます。そのため教科書の該当範囲を完璧に理解することが、最も確実な得点源となります。
まず教科書本文を、文節ごとに区切って理解していきましょう。例えば「竹取物語」の「今は昔、竹取の翁といふものありけり」なら、「今は昔」(今となっては昔のことだが)、「竹取の翁といふもの」(竹取りをする老人という者)、「ありけり」(いた)と細かく分解して意味を確認します。
次に重要な文法事項をチェックします。この文なら「けり」という助動詞が使われています。「けり」は過去・詠嘆の意味があり、連用形接続です。このように本文中の文法ポイントを一つずつ確認し、ノートにまとめておくと復習しやすくなります。
また敬語表現も要注意です。「給ふ」「奉る」「聞こゆ」などの敬語動詞が出てきたら、誰から誰への敬意なのかを図にして整理しましょう。登場人物の上下関係や敬意の方向を理解することで、誰の発言なのかが明確になります。
教科書の脚注も必ず確認してください。そこには重要な古語の意味や文化的背景が説明されています。脚注の内容はテストに出やすいので、見逃さないようにしましょう。特に「枕詞」「掛詞」「縁語」などの修辞法が説明されている場合は、必ず覚えておく必要があります。
筑波大学附属高校や早稲田大学高等学院など、進学校の定期テストでは、教科書本文の深い理解が求められます。単なる暗記ではなく、なぜそう訳すのかを説明できるレベルまで理解を深めましょう。
現代語訳を自分の言葉で作る
現代語訳は、古文理解の最終確認となります。ただし教科書の訳をそのまま覚えるのではなく、自分の言葉で訳す練習が重要です。
まず一文を訳す際は、主語を補いながら訳すことを意識しましょう。古文では主語が省略されることが多いため、「誰が」を明確にしないと意味が通じません。例えば「源氏物語」で「いとをかしと思す」とあれば、「(光源氏が)とても趣深いとお思いになる」のように、主語を補って訳します。
また敬語は現代語でも敬語で訳すことが基本です。「給ふ」なら「〜なさる」「〜される」、「奉る」なら「〜申し上げる」のように、適切な敬語表現を使います。ただし現代語訳では尊敬語・謙譲語の区別が曖昧になりがちなので、古文の敬語体系を理解した上で訳すことが大切です。
訳を作ったら、必ず声に出して読んでみることをおすすめします。不自然な日本語になっていないか、意味が通じるかを確認できます。もし変な訳になっていたら、文法的な理解が間違っている可能性があります。
さらに自分の訳と教科書の訳を比較してみましょう。表現の違いはあっても、意味が一致していれば正解です。逆に意味が異なる場合は、どこで間違えたのかを検証します。助動詞の意味を取り違えていないか、係り結びを見落としていないかなど、ミスのパターンを把握することで、同じ間違いを防げます。
定期テストの直前には、範囲の本文を何も見ずに現代語訳できるか確認しましょう。訳せない部分があれば、そこが理解不足の箇所です。重点的に復習することで、テスト本番での失点を防げます。
過去問と問題集の活用術
定期テスト対策では、過去問と問題集を上手に活用することが得点アップの近道です。出題傾向を知り、実践的な演習を積むことで、本番での対応力が高まります。
まず学校の過去問が入手できる場合は、必ず確認しましょう。先輩から譲ってもらったり、学校の図書室に保管されていたりすることがあります。過去問を見ることで、出題形式や頻出問題が分かります。選択式なのか記述式なのか、現代語訳は全文訳か部分訳か、文法問題はどの程度出るかなど、傾向をつかむことができます。
過去問がない場合は、教科書準拠の問題集を使いましょう。「教科書ガイド」シリーズには、各教科書に対応した問題が収録されています。また「古文完全攻略」(旺文社)や「読解を深める現代文単元別問題集」(数研出版)なども、定期テスト対策に適しています。
問題を解く際は、必ず時間を計って解きましょう。定期テストは時間制限があるため、時間配分の練習も重要です。また間違えた問題は、なぜ間違えたのかを必ず分析します。単語の意味を知らなかったのか、文法的な解釈が違ったのか、背景知識が不足していたのかを明確にし、その部分を重点的に復習します。
さらに問題集は一度解いて終わりではなく、最低3回は繰り返すことをおすすめします。1回目は実力確認、2回目は弱点補強、3回目は完璧にするための確認という位置づけです。特に間違えた問題には印をつけておき、2回目・3回目で重点的に取り組みましょう。
東進ハイスクールや河合塾マナビスなどの映像授業では、定期テスト対策用の講座も用意されています。自分だけでは理解が難しい場合は、こうした予備校のリソースを活用するのも一つの方法です。
スキマ時間を使った暗記テクニック
古文の学習、特に古語や文法の暗記は、スキマ時間を有効活用することで効率的に進められます。まとまった時間がなくても、日常の中に学習機会を見つけることができます。
通学時間は絶好の暗記タイムです。電車やバスの中で単語カードを見たり、スマホの暗記アプリを使ったりすることで、往復で30分〜1時間の学習時間が確保できます。おすすめのアプリとしては「古文単語」(物書堂)や「Quizlet」があります。これらのアプリでは自分専用の単語帳を作成でき、繰り返し学習ができます。
また休み時間の5分間も有効活用できます。友達と問題を出し合ったり、暗記した内容を確認したりすることで、記憶の定着が促進されます。人に説明することで自分の理解も深まるため、一石二鳥です。
トイレや洗面所など、よく行く場所に暗記用のメモを貼っておくのも効果的です。助動詞の接続や活用表、頻出古語などを書いた紙を貼っておけば、何度も目にすることで自然と覚えられます。視覚的に繰り返し見ることで、無意識に記憶される効果があります。
寝る前の10分間も暗記のゴールデンタイムです。寝る直前に覚えた内容は、睡眠中に記憶が整理・定着されやすいという研究結果があります。その日学習した古語や文法事項を、寝る前にもう一度復習することで、翌朝には驚くほど定着しています。
こうしたスキマ時間学習を習慣化すれば、1日で合計1〜2時間の学習時間が確保できます。特に定期テスト前の1週間は、スキマ時間の総動員で追い込みをかけましょう。集中して机に向かう時間と、スキマ時間での反復学習を組み合わせることが、最も効率的な学習スタイルです。
古文が得意になる長期学習計画
古文を本当の意味で得意にするには、長期的な視点での学習計画が必要です。定期テスト対策だけでなく、大学入試まで見据えた実力養成が重要になります。ここでは3ヶ月から1年単位での学習スケジュールと、段階的に力をつける方法を紹介します。計画的に学習を進めることで、確実に古文の実力を伸ばすことができます。焦らず着実にステップアップしていきましょう。
3ヶ月で基礎を固める学習スケジュール
古文の基礎を確実に固めるには、最低3ヶ月の集中学習が必要です。以下のスケジュールに沿って進めることで、効率的に力をつけることができます。
1ヶ月目:文法の基礎固め
最初の1ヶ月は、文法に集中します。動詞の活用、助動詞の意味・接続・活用、助詞の働きを徹底的に学習しましょう。1日1時間を文法学習に充て、週末には復習テストを行います。参考書は「ステップアップノート30古典文法基礎ドリル」を1周し、間違えた問題は繰り返し解きます。この時期は暗記よりも理解を優先し、なぜそうなるのかを考えながら学習します。
2ヶ月目:古語の習得と短文読解
2ヶ月目は古語を集中的に覚えます。「読んで見て覚える重要古文単語315」を使い、1日10語ずつ暗記していきます。同時に短い古文(100字程度)を読む練習も始めます。教科書の易しい文章や、問題集の例文を使って、文法知識を実際の文章で確認します。この段階では完璧に読めなくても構いません。文法事項を意識しながら読む習慣をつけることが目標です。
3ヶ月目:読解練習と総合問題
3ヶ月目は読解力を養成します。200〜300字程度の文章を読み、内容理解・現代語訳・文法問題に取り組みます。「古文上達 基礎編 読解と演習45」(Z会)などの問題集を使い、週に3〜4題解くペースで進めます。また1ヶ月目・2ヶ月目の復習も並行して行い、忘れかけた知識を再確認します。この時期には教科書の本文も自力で読めるようになっているはずです。
このスケジュールを守ることで、3ヶ月後には古文の基礎力がしっかりと身につきます。駿台予備校や河合塾の短期講習でも、同様の3ヶ月カリキュラムが組まれており、多くの受験生が成果を上げています。
大学入試を見据えた応用力の養成
基礎が固まったら、次は大学入試レベルの応用力を養成します。共通テストや国公立二次試験、私大入試では、高度な読解力と思考力が求められます。
共通テストの古文は、複数の文章を比較したり、図表と組み合わせたりする問題が出題されます。単なる文法知識だけでなく、文章全体の流れを把握する力が必要です。対策としては、共通テスト対策問題集を使い、時間を計って解く練習を重ねます。80分の試験時間の中で、現代文と古文・漢文をどう配分するかの時間戦略も重要になります。
国公立二次試験では、記述式の問題が中心です。東京大学では200字程度の説明問題が出題され、京都大学では登場人物の心情を論理的に説明する問題が特徴的です。これらに対応するには、自分の言葉で説明する訓練が不可欠です。答案作成後は、学校の先生や塾の講師に添削してもらい、論理性や表現力を磨きましょう。
早稲田大学や慶應義塾大学などの難関私大では、文学史や文化史の知識も問われます。作品名・作者名・成立年代・ジャンルなどを整理して覚える必要があります。「古文読解ゴロゴ」(スタディカンパニー)には、文学史のゴロ合わせも収録されており、効率的に暗記できます。
また難関大学では、和歌の修辞法(枕詞・序詞・掛詞・縁語など)や、漢文の知識も問われることがあります。古文と漢文を関連づけて学習することで、総合的な古典力が養成されます。Z会の通信教育や東進ハイスクールの志望校別講座では、こうした応用力を体系的に学べます。
おすすめの参考書と問題集
古文学習を効率的に進めるには、自分のレベルに合った参考書・問題集を選ぶことが重要です。ここでは学習段階別におすすめの教材を紹介します。
初級者向け(古文が全く読めない人)
- 「富井の古典文法をはじめからていねいに」(東進ブックス):語り口調で分かりやすく、初心者でも理解しやすい
- 「マドンナ古文単語230」(学研):イラストとストーリーで覚えやすい
- 「ステップアップノート30古典文法基礎ドリル」(河合出版):基礎から段階的に学べる
これらの教材は、古文の基礎を一から学ぶのに最適です。特に「富井の古典文法」は講義形式なので、独学でも理解しやすい構成になっています。
中級者向け(基礎は理解したが読解力が不足している人)
- 「古文上達 基礎編 読解と演習45」(Z会):文法と読解を同時に鍛えられる
- 「読んで見て覚える重要古文単語315」(桐原書店):イラスト付きで視覚的に覚えられる
- 「古文解釈の方法」(駿台文庫):精読力を養成できる
中級者は、文法知識を実際の文章で活用する訓練が必要です。「古文上達」は段階的に難易度が上がる構成なので、無理なく力をつけられます。
上級者向け(入試レベルの実力をつけたい人)
- 「古文上達 読解と演習56」(Z会):難関大学レベルの問題を収録
- 「最強の古文 読解と演習50」(Z会):最難関大学志望者向け
- 「古典文法・語法トレーニング」(河合出版):文法の総まとめに最適
上級者は、難易度の高い問題に挑戦することで実戦力を磨きます。「最強の古文」は東大・京大レベルの問題が中心で、本格的な訓練ができます。
また共通テスト対策には「共通テスト古文満点のコツ」(教学社)、私大対策には「早稲田の国語」「慶應の国語」(教学社)などの赤本シリーズも有効です。
予備校や塾の活用方法
独学で限界を感じたら、予備校や塾を活用することも検討しましょう。プロの講師から学ぶことで、効率的に実力を伸ばせます。
古典に強い塾の選び方|定期テストで点数を上げる学習法とおすすめ塾を紹介
大手予備校では、河合塾・駿台予備校・代々木ゼミナールなどが古文の講座を開講しています。特に河合塾の古文講座は、レベル別に細かく分かれているため、自分に合ったクラスで学べます。基礎から学びたい人には「古文基礎」、難関大学を目指す人には「早慶上智古文」「東大古文」などの志望校別講座があります。
河合塾1教科だけの料金は?単科受講のメリットと費用を徹底解説
映像授業系では、東進ハイスクール・河合塾マナビス・スタディサプリなどがあります。東進の吉野敬介先生や、スタディサプリの岡本梨奈先生は、分かりやすい解説で人気です。映像授業は自分のペースで学習できるため、部活動などで忙しい高校生にも向いています。
個別指導塾では、苦手な部分をピンポイントで教えてもらえます。トライや明光義塾などの大手個別指導塾では、古文専門の講師を指定することも可能です。特に読解が苦手、文法が理解できないなど、具体的な弱点がある場合は、個別指導が効果的です。
また最近では、オンライン家庭教師も充実しています。スタディコーチやマナリンクなどでは、東大生や難関大生が講師を務め、質の高い指導が受けられます。地方在住でも都市部と同じレベルの指導を受けられるのが大きなメリットです。
予備校や塾を選ぶ際は、体験授業を受けて自分に合うか確認することが大切です。講師との相性や授業スタイルが合わないと、せっかくの投資が無駄になってしまいます。
古文学習のモチベーション維持法
古文の学習は長期戦です。途中で挫折しないためには、モチベーションを維持する工夫が必要です。成績が伸び悩んだり、難しい文章に出会ったりすると、やる気が低下することもあるでしょう。しかし適切な方法でモチベーションを管理すれば、継続的に学習を続けられます。ここでは、古文学習を楽しく続けるための具体的な方法を紹介します。前向きな気持ちで学習に取り組むことが、最終的な成功につながります。
小さな成功体験を積み重ねる
モチベーション維持の最も効果的な方法は、小さな成功体験を積み重ねることです。大きな目標だけを見ていると、達成までの道のりが遠く感じられ、やる気が続きません。
まず学習目標を細かく設定しましょう。「古文を得意にする」という漠然とした目標ではなく、「今週中に助動詞『む』を完璧にする」「3日で古語を20個覚える」といった具体的で達成可能な目標を立てます。そして目標を達成したら、必ず自分を褒めることが大切です。
また学習記録をつけることも効果的です。ノートやアプリに、その日学んだ内容と達成度を記録します。例えば「今日は助動詞『べし』の6つの意味を覚えた」「教科書p.30-32の現代語訳ができた」などです。後で見返すと、自分の成長が可視化され、達成感を味わえます。スタディプラスなどの学習記録アプリを使えば、グラフで学習時間が表示されるため、モチベーション維持に役立ちます。
テストの点数も小刻みに確認しましょう。定期テストだけでなく、問題集の小テストや単語テストなど、頻繁に自己評価する機会を作ります。10点満点のミニテストで8点取れたら、それも立派な成功体験です。小さな成功を積み重ねることで、「自分は成長している」という実感が得られ、学習意欲が持続します。
また友達と競争するのも良い方法です。「今週は誰が古語を多く覚えられるか」といった健全な競争は、互いのモチベーションを高めます。ただし成績を比較して落ち込むのではなく、自分の成長に焦点を当てることが重要です。
古文の面白さを発見するコツ
古文を「勉強」としてだけ捉えるのではなく、作品としての面白さを発見することで、学習が楽しくなります。古文は千年以上前の人々の生活や感情を伝える貴重な資料なのです。
例えば「枕草子」は、清少納言という一人の女性が見た平安時代の日常を生き生きと描いています。「春はあけぼの」で始まる冒頭部分は、季節ごとの美しい時間帯を紹介していますが、これは清少納言の個人的な感性が表現されたものです。現代のブログやSNSの投稿と本質的には同じで、個人の感想を発信しているのです。
「源氏物語」は世界最古の長編小説と言われ、複雑な人間関係や恋愛模様が描かれています。光源氏という一人のプレイボーイの生涯を通して、愛とは何か、人生とは何かが問われています。これは現代のドラマや映画と同じく、人間ドラマとして楽しめる作品なのです。
また「徒然草」は、兼好法師による随筆ですが、人生や社会に対する鋭い観察が面白い作品です。「少しのことにも、先達はあらまほしきことなり」(どんなことにも、指導者がいるのが望ましい)という教訓は、現代にも通じる普遍的な知恵です。
こうした作品の魅力に気づくには、まず現代語訳で読んでみることをおすすめします。角川文庫や岩波文庫などから、読みやすい現代語訳が出版されています。物語の面白さを理解した上で古文を読めば、「この部分は古文ではどう表現されているのか」という興味が湧き、学習意欲が高まります。
また漫画化された古典作品もあります。「あさきゆめみし」(大和和紀)は「源氏物語」を、「超訳マンガ百人一首」は和歌を、ビジュアル的に分かりやすく紹介しています。まずは漫画で親しみ、それから原文に挑戦するのも良い方法です。
仲間と一緒に学ぶメリット
古文学習は一人で黙々とやるよりも、仲間と一緒に学ぶことで効果が高まります。互いに教え合ったり、励まし合ったりすることで、理解が深まりモチベーションも維持できます。
まず友達と勉強会を開くのが効果的です。週に1回、放課後や休日に集まって、古文の問題を一緒に解いたり、分からない箇所を教え合ったりします。自分が理解していることを人に説明することで、知識が整理され定着します。また友達の説明を聞くことで、自分にはなかった視点や理解の仕方を学べます。
オンラインでの学習グループも便利です。LINEグループやDiscordサーバーを作り、毎日の学習内容を報告し合ったり、質問し合ったりします。仲間の頑張りを見ることで、「自分も頑張らなくては」という気持ちになります。また写真で問題を共有すれば、離れた場所にいても一緒に勉強できます。
学校や塾の古文が得意な先輩に教えてもらうのも良い方法です。先輩は受験や定期テストを経験しているため、効率的な勉強法や注意すべきポイントを知っています。また先輩の成功体験を聞くことで、「自分もできるようになる」という希望が持てます。
ただし仲間と学ぶ際は、おしゃべりばかりにならないよう注意が必要です。時間を決めて集中して勉強し、休憩時間に話すなど、メリハリをつけることが大切です。また自分のペースで学習を進めることも忘れないでください。仲間と比較して焦ったり、劣等感を持ったりする必要はありません。
つまずいた時の対処法
古文学習では、誰でも必ずつまずく瞬間があります。成績が伸び悩んだり、難しい文章が全く読めなかったりすることもあるでしょう。そんな時こそ、適切な対処法を知っておくことが重要です。
まず理解できない部分があっても、自分を責めないことが大切です。古文は誰にとっても難しいものです。一度で完璧に理解できなくても当然です。「自分はダメだ」と考えるのではなく、「まだ理解できていないだけ」と前向きに捉えましょう。
つまずいた時は、基礎に戻ることが効果的です。読解問題が解けない場合、文法や古語の知識が不足している可能性があります。もう一度文法書や単語帳を復習し、基礎を固め直しましょう。特に助動詞の意味や接続は、何度も見直す価値があります。
また学習方法を見直すことも必要です。今のやり方で成果が出ないなら、別のアプローチを試してみましょう。音読を増やす、問題集を変える、映像授業を見るなど、様々な方法があります。自分に合った学習スタイルを見つけることが、突破口になります。
どうしても分からない時は、質問する勇気を持ちましょう。学校の先生、塾の講師、友達など、誰かに聞くことで簡単に解決することもあります。「こんなことを聞いたら恥ずかしい」と思わず、分からないことは素直に質問することが成長につながります。武蔵野大学や同志社大学など、多くの大学では高校生向けの学習相談会を開催しているので、そういった機会を活用するのも良いでしょう。
最後に、休むことも大切です。疲れている時に無理して勉強しても、効率が悪く逆効果です。1日休んでリフレッシュし、また新鮮な気持ちで取り組む方が、結果的に早く理解できることもあります。長期的な視点で、自分のペースを保つことを心がけましょう。
