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MARCHの入試で漢文はどう扱われるのか
明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学。この5校をまとめてMARCHと呼びます。志望する高校生は多いのですが、国語の対策では漢文を後回しにしてしまう人がよくいます。じつは漢文は、覚える量が限られていて点数が伸びやすい分野です。まずは入試の中でどんな位置づけなのかを整理しておきましょう。
MARCH5大学の国語と漢文の関係
国語の入試は、現代文・古文・漢文の3つで組み立てられることが多いです。ただしMARCHの場合は、学部や入試方式によって出題の組み合わせが変わります。古文と漢文までしっかり問われる学部もあれば、現代文と古文だけという方式もあります。つまり「MARCHだから漢文は必ず出る」とは言えません。
大切なのは、志望する学部と方式の最新情報を自分で確認することです。出題範囲は年度によって変わる場合もあります。受験する年の募集要項を、必ず大学の公式サイトで見ておいてください。漢文が範囲に入っているとわかった人は、早く動き出すほど有利になります。
漢文が出る学部と出ない学部の見分け方
出題範囲を調べる方法はむずかしくありません。次の表にある場所を順番に見ていけば、たいていのことはわかります。
| 確認する場所 | わかること |
|---|---|
| 大学の入試要項 | 国語の出題範囲と配点 |
| 過去問(赤本など) | 漢文が実際に出ているか、問題の長さ |
| 学校や塾の先生 | その大学を受けた先輩の傾向 |
表の中でいちばん確実なのは入試要項です。そのうえで過去問を1年分でも開いてみると、どんな文章が出るのかがつかめます。方式によって範囲が違う学部もあるので、自分が受ける方式の欄を見逃さないようにしてください。
漢文は短期間で伸びる科目
古文は単語や文法、古文常識など、覚えることがたくさんあります。それに比べて漢文は、覚える中心が「句形」と「重要語」です。句形はおよそ30種類ほどで、1つずつ意味と読み方をセットで覚えれば、文章の意味がぐんと取りやすくなります。
私が教えてきた生徒さんの中にも、高3の夏から始めて、漢文を安定した得点源にした人が何人もいます。漢文はやればやっただけ点数に出る科目です。苦手意識があっても、今日から少しずつ進めれば十分に間に合います。
まずは定期テストで土台を作ろう
入試対策というと難しく聞こえますが、漢文の基礎は高校の授業と定期テストの中にほとんど入っています。ここで身につけた知識が、そのままMARCHの入試でも使えます。遠回りに見えて、いちばん確実な道です。定期テストを、土台づくりのチャンスとして使いましょう。
返り点と書き下し文の基本
漢文は、上から順番に読まず、返り点を目印にして日本語の語順に直して読みます。返り点は「読む順番を示す記号」と考えると、すっきり理解できます。代表的な3種類を表にまとめました。
| 種類 | 使い方 | 例 |
|---|---|---|
| レ点 | すぐ下の字から、上の字に1字だけ戻る | 読レ書 → 書を読む |
| 一二点 | 2字以上を飛ばして戻る | 登二泰山一 → 泰山に登る |
| 上下点 | 一二点をはさんで、さらに大きく戻る | 一二点の外側に上、下を付ける |
書き下し文では、助詞や助動詞にあたる字をひらがなで書きます。たとえば「読レ書」の「書」は漢字、「を」と「む」はひらがなになります。テストでは、ここを間違える人がとても多いので、細かく確認する習慣をつけておきましょう。
再読文字を7種類のグループで覚える
再読文字は、1つの字を2回読む特別な字です。全部で10字ありますが、同じ読み方をする字をまとめると7つのグループになります。
| 文字 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 未 | いまだ〜ず | まだ〜ない |
| 将・且 | まさに〜んとす | 今にも〜しようとする |
| 当・応 | まさに〜べし | 当然〜すべきだ |
| 須 | すべからく〜べし | ぜひ〜する必要がある |
| 猶・由 | なほ〜ごとし | ちょうど〜のようだ |
| 宜 | よろしく〜べし | 〜するのがよい |
| 盍 | なんぞ〜ざる | どうして〜しないのか |
再読文字は、1回目は字のまま読み、2回目は返り点にしたがって下から戻って読むのが決まりです。「未」なら「いまだ」と読み、動詞を読んでから「〜ず」と戻ります。まず「読み方」と「意味」を声に出して覚え、そのあとで例文を書き下す練習をすると定着しやすいです。
定期テストで頻出の教材をおさえる
高校の教科書は学校ごとに違いますが、次のような話題は多くの教科書で見かけます。自分の教科書に載っているかどうか、目次で確かめてみてください。
- 「矛盾」(韓非子)
- 「鶏口牛後」(史記)
- 「漁父之利」(戦国策)
- 「鴻門之会」(史記)
- 『論語』の有名な章
これらは短い故事成語から長めの歴史物語までさまざまです。故事成語は由来のストーリーごと覚えると、意味も場面もすっと頭に入ります。定期テストでは書き下し文や現代語訳がよく問われるので、教科書の本文を何度も声に出して読んでおくと、そのまま得点に結びつきます。
句形を攻略して得点源にする
漢文の読解を支えているのは句形です。句形がわかれば、知らない文章でも意味の大筋がつかめるようになります。ここでは、入試でよく問われる句形をグループごとにまとめました。1つずつ意味と読み方をセットにして、ゆっくり進めていきましょう。
否定・禁止・疑問・反語
まずは、文の意味を大きく左右するグループです。ここを取り違えると、文章全体の読み取りがずれてしまいます。
- 否定は「不」「無」「非」など
- 禁止は「勿」「無」「莫」など
- 疑問は「何」「安」「誰」など
- 反語は「豈〜哉」など
覚えるコツは、疑問と反語を見分けることです。疑問は本当に問いかける文で、反語は「〜だろうか、いや〜ない」と強く打ち消す文です。「豈〜哉」は「あに〜んや」と読み、「どうして〜だろうか、いや〜ない」と訳します。文脈から判断する習慣を、練習問題でつけておきましょう。
使役・受身・比較
次は、人と人の関係や、ものごとの比べ方を表す句形です。登場人物が多い歴史物語では、特によく使われます。
- 使役は「使」「令」「教」「遣」を使い、「AをしてBせしむ」と読む
- 受身は「見」「被」や「為A所B」を使い、「る」「らる」で読む
- 比較は「不如A」「不若A」で、「Aに如かず」と読む
使役は、「AがBに〜させる」という意味だと頭に入れておけば、迷いません。受身では、「誰が誰にされたのか」を整理しながら読むのがポイントです。比較は、「Aのほうがよい」という結論になるかどうかを意識しましょう。この3つの句形は、現代語訳の問題でよく出ます。
抑揚・限定・仮定
最後は、書き手の言いたいことを強める句形です。文章の主張を見抜くカギになるので、確実に押さえておきたいところです。
| 句形 | 形 | 意味 |
|---|---|---|
| 抑揚 | 況〜乎(いはんや〜をや) | ましてや〜はなおさらだ |
| 限定 | 唯・只・独・但(ただ〜のみ) | ただ〜だけだ |
| 仮定 | 如・若・苟(もし〜ば) | もし〜ならば |
抑揚は、まず軽いほうの例を出し、そのあとで「ましてや重いほうは当然そうだ」と言う形です。後ろに出てくる内容が筆者の本当に言いたいことなので、設問でも狙われやすいです。仮定には「縦(たとひ〜とも)」のように「たとえ〜でも」の意味になるものもあります。ふだんから例文ごと覚えるようにしてください。
MARCH合格に向けた勉強計画と教材の選び方
基礎と句形が身についたら、次は入試までの道すじを考えます。学年や時期ごとにやることを決めておくと、迷わず進められます。ここでは、時期ごとの目安と、使いやすい教材や塾の活用法、そして過去問の使い方をお伝えします。
学年別の勉強スケジュール
漢文は、他の科目に比べて必要な時間が少なく済みます。それでも、いつ何をやるかを決めておくことで、ぎりぎりになって慌てずに済みます。次の表は、その目安です。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 高1・高2 | 定期テストで返り点、再読文字、基本の句形を固める |
| 高2の終わり〜高3の春 | 句形を一通り終えて、重要語を覚える |
| 高3の夏 | 短めの問題を毎日解いて、読み慣れる |
| 高3の秋〜直前期 | 志望校の過去問で時間配分と記述に慣れる |
この表はあくまで目安です。高3になってから始める人も、句形を先に終わらせるという順番を守れば、夏以降の演習に十分間に合います。むしろ大切なのは、毎日少しずつ触れて、「ゼロの日」を作らないことです。
おすすめ教材と塾の使い方
教材は、まず薄くて続けやすい1冊を選ぶのが成功のコツです。たくさん買っても、使いこなせなければ意味がありません。
- 『漢文ヤマのヤマ』(学研)は、句形をコンパクトに学べる参考書
- 『漢文早覚え速答法』(学研)は、句形と読解のコツをまとめて確認できる参考書
- 河合塾や駿台予備学校は、古文・漢文の講座が用意された大手予備校
- 東進ハイスクールは、映像授業で自分のペースで進められる塾
- 武田塾は、参考書を軸に個別指導で進める塾
参考書は、最初に1冊を決めたら、同じ本を3周するくらいのつもりで取り組むと、定着が違います。塾や予備校は、校舎や年度によって開講される講座が変わりますので、体験授業や説明会で確認してから決めるのが安心です。漢文だけ苦手なら、まず学校の先生に質問するのも一つの手です。
過去問の使い方と直前期の仕上げ
基礎が固まったら、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学のうち、受験する学部の過去問に取り組みます。赤本(教学社)などの過去問集は、書店で手に入ります。次の手順で使うと、1問の価値がぐっと上がります。
- 時間を計って、本番と同じ条件で解く
- 間違えた問題の句形や重要語に印をつける
- 復習ノートに、意味と例文をまとめる
箇条書きにした3つの作業は、「解く、見直す、まとめる」の流れです。解きっぱなしにしないことで、同じ間違いをくり返さなくなります。直前期は、新しい問題集に手を出すより、復習ノートを読み返すほうが効果的です。苦手な句形だけをもう一度見直して、本番に備えてください。
