古文の助動詞「べし」は、6つの意味を持つ多機能な助動詞です。定期テストや入試で頻出ですが、「どの意味で訳せばいいか分からない」と悩む高校生は少なくありません。
この記事では、助動詞「べし」の6つの意味の覚え方と見分け方を、語呂合わせや具体例を使って簡単に解説します。苦手な人でもこの記事を読めば「べし」の問題が得点源に変わります。
目次
助動詞「べし」の基本情報
まずは「べし」の接続と活用を押さえておきましょう。意味の暗記に入る前に、基本情報を整理しておくと理解がスムーズになります。
接続と活用形
「べし」は終止形接続の助動詞です。つまり、動詞や助動詞の終止形のうしろにつきます。ただし、ラ変型活用の語には連体形に接続するという例外があります。
| 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
|---|---|---|---|---|---|
| べから | べく・べかり | べし | べき・べかる | べけれ | ○ |
活用は形容詞のク活用と同じパターンです。「べから・べく・べし・べき・べけれ」と何度も声に出して覚えましょう。活用形を覚えておくと、文中で「べき」「べけれ」などの形で出てきても「べし」だとすぐに判断できます。
6つの意味を語呂合わせで覚える
「べし」には推量・意志・可能・当然・命令・適当の6つの意味があります。覚え方として有名なのが以下の語呂合わせです。
「すいかとめて」
- すい → 推量(〜だろう)
- い → 意志(〜しよう)
- か → 可能(〜できる)
- と → 当然(〜するはずだ、〜しなければならない)
- め → 命令(〜せよ)
- て → 適当(〜するのがよい)
「スイカ止めて」と覚えると忘れにくくなります。テスト中に「べし」が出てきたら、まず「すいかとめて」を思い出して6つの意味を頭に浮かべ、文脈に合う意味を選ぶという流れです。
6つの意味の見分け方
語呂合わせで6つの意味は覚えられても、「この文ではどの意味で使われているか」を見分けるのが難しいところです。ここでは、見分け方のコツを意味ごとに解説します。
推量と意志の見分け方
推量は「〜だろう」、意志は「〜しよう」と訳します。見分けるポイントは主語です。
- 主語が三人称(他人) → 推量が多い。「彼は行くべし」=「彼は行くだろう」
- 主語が一人称(自分) → 意志が多い。「我行くべし」=「私は行こう」
自分のことについて「〜だろう」と推量するのは不自然ですし、他人について「〜しよう」と意志を示すのもおかしいですよね。この主語チェックだけで、推量と意志はほとんど見分けられます。
当然と適当の見分け方
当然は「〜するはずだ」「〜しなければならない」、適当は「〜するのがよい」と訳します。
当然は義務やルールのニュアンスが含まれ、「しなければならない」という強い意味です。一方、適当はアドバイスや提案のニュアンスで、「した方がいいよ」というやわらかい意味になります。
たとえば「早く寝るべし」は、医者が患者に言えば「早く寝なさい」(当然・命令)、友達同士なら「早く寝た方がいいよ」(適当)と解釈が変わります。文脈から話者の意図を読み取ることが見分けのカギです。
可能と命令の見分け方
可能は「〜できる」、命令は「〜せよ」と訳します。
可能は打消の語と一緒に使われることが多いのが特徴です。「行くべからず」(行くことができない)のように、「べからず」の形で出てきたら可能の意味を疑いましょう。
命令は文末に来て、相手に直接指示を出す文脈で使われます。「急ぎ参るべし」(急いで参上せよ)のように、目上の人が目下の人に命じる場面で登場することが多いです。
入試・定期テストでの出題パターン
「べし」はテストでどのように出題されるのか、よくある出題パターンを知っておくと対策がしやすくなります。
傍線部の意味を答える問題
最も一般的な出題形式は、「傍線部の『べし』の意味を答えよ」という問題です。選択肢には6つの意味(推量・意志・可能・当然・命令・適当)が並びます。
この問題を解くときの手順は以下のとおりです。
- Step 1:主語を確認する(一人称か三人称か)
- Step 2:文脈から場面を把握する(命令しているのか、提案しているのか、推測しているのか)
- Step 3:6つの意味をそれぞれ当てはめて、文脈に最も合うものを選ぶ
迷ったときは全部の意味を当てはめてみるのが確実です。「すいかとめて」の6つを順番に試して、文脈に合わないものを消去法で排除していけば、正解にたどり着けます。
現代語訳の問題
「傍線部を現代語訳せよ」という問題でも「べし」は頻出です。この場合は意味を正しく判断した上で、自然な日本語に訳すことが求められます。
訳し方のコツは、まず直訳してから自然な日本語に整えることです。「行くべし」なら、推量=「行くだろう」、意志=「行こう」、当然=「行くはずだ」と直訳し、前後の文脈と照らし合わせて最も自然な訳を選びます。定期テストでは「べし」の訳語を正確に書けるかどうかだけで点数が決まることも多いので、6つの訳語は正確に暗記しておきましょう。
効率的な暗記法と練習問題
「べし」をマスターするには、暗記と演習の両方が必要です。効率よく覚えて、問題で使えるレベルまで定着させましょう。
フラッシュカードで反復練習
6つの意味と訳語をフラッシュカードにして反復練習するのが最も効率的な暗記法です。表に「推量」、裏に「〜だろう」と書いたカードを6枚作り、通学時間や休み時間にめくる習慣をつけましょう。
スマートフォンの単語帳アプリを使う方法もおすすめです。AnkiやQuizletなどのアプリなら、覚えていない項目を自動で繰り返し出題してくれるため、効率よく記憶を定着させられます。1週間もあれば6つの意味と訳語は完璧に覚えられるはずです。
実際の古文で練習する
訳語を暗記したら、実際の古文の中で「べし」の意味を判断する練習に移りましょう。教科書に載っている古文の中から「べし」を探し出し、どの意味で使われているかを考える作業を繰り返すことで、実戦的な読解力がつきます。
「徒然草」「枕草子」「源氏物語」などの有名作品には「べし」が何度も登場するため、練習素材には困りません。教科書の該当箇所を読み返すだけでも十分な練習になります。テスト前に10問程度の「べし」の識別問題を解いておけば、本番でも自信を持って解答できるようになります。
まとめ
助動詞「べし」の6つの意味は「すいかとめて」(推量・意志・可能・当然・命令・適当)で覚えましょう。見分けるポイントは主語の人称と文脈です。
テストでは傍線部の意味を答える問題や現代語訳が頻出なので、6つの訳語を正確に暗記し、実際の古文で識別練習を重ねることが大切です。「べし」は覚えることが明確なので、対策すれば確実に点数が取れる分野です。語呂合わせと演習で得点源にしてください。
