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「寝たふりしてたのに、話しかけられてバレた…」
そんな経験、ありませんか?
実はそれ、平安時代のお坊さんの世界にもあったんです。
『児のそら寝』は、そんな“あるある”すぎるエピソードを、ユーモアたっぷりに描いた短編作品。
ちょっと気まずい、でもクスッと笑える――
「古文って意外とおもしろいかも!」って思えるはずです!
超簡単に!10秒でわかる『児のそら寝』ってどんな話?
『児のそら寝(ちごのそらね)』は、平安時代の説話集『宇治拾遺物語』にあるお話。
舞台はお寺。夜、みんなで集まっていたとき、ある子ども(=児・ちご)が、
「おいしいお菓子(おこしもの)」が出るのを楽しみにしていたのに、なかなか出してもらえず…。
「もう寝たフリするしかないか~」と思ってゴロン。
でも、いざ話しかけられたら、思わず…
「さうざうし」って答えちゃった!
おいおい、それ…寝てないやん!🤣
【原文】児のそら寝(全文)
この児、心づきなく思ひて、寝たる由にて、ただ居に居たりけるを、
「物も食はせむ」とて、あるじのし給ふに、
「さうざうし」と言ひて、ついゐたりつる、いとをかしかりけり。
【現代語訳】いちばんやさしい訳で読んでみよう
この子どもは、(お菓子を出してくれないのが)つまらないと思って、寝たふりをして横になっていたけれど、
「何か食べさせよう」と言って主人が声をかけたとたん、
思わず「さうざうしい」と答えて起き上がってしまったのが、とてもおかしかった。
文ごとのポイント解説|意味と情景をつかもう
原文 | 意味・背景 |
---|---|
この児、心づきなく思ひて | この子どもは、がっかりして(つまらないと思って) |
寝たる由にて、ただ居に居たりけるを | 寝ているフリをしてじっとしていた |
物も食はせむ | 何か食べさせてやろう |
さうざうし | 物足りない・さびしい |
いとをかしかりけり | とてもおかしかった(=微笑ましい) |
登場人物と舞台背景|だれ?どこ?なんで?
- 児(ちご)=お寺に仕える少年 → 子どもらしい感情がとてもリアル!
- あるじ(主)=寺の僧や主人格の人物 → 子どもを気づかって声をかけたら…返事されてびっくり
- 舞台:夜のお寺 → 静かな空間で起こる、ちょっとした笑い話
『宇治拾遺物語』ってどんな作品?
- 鎌倉時代に成立した説話集(短編のお話集)
- 笑える話・怖い話・教訓的な話などジャンルは多彩
- 『児のそら寝』はその中でもユーモア系の代表作
テストに出る語句・問題まとめ
よく出る古語と意味
- 心づきなく:つまらない・不満に思う
- 寝たる由にて:寝ているふりをして
- さうざうし:物足りない・さびしい
- をかしかりけり:おもしろかった・微笑ましかった
よくあるテスト問題とその模範解答
- 「さうざうし」とはどのような気持ち?
- 物足りなく、さびしいと感じる気持ち。
- 「いとをかしかりけり」が示す面白さとは?
- 寝たふりをしていた児が返事をしてしまい、本当は起きていたことがバレたところ。
- 作者は児をどのように描いている?
- 無邪気で素直な、子どもらしい姿。
- 「寝たる由にて、ただ居に居たりける」の行動とは?
- 寝ているふりをして、じっと横になっていた。
- この作品のジャンルと特徴は?
- 説話。短くて教訓や笑いを交えた物語。
- 面白さ・ユーモアはどこにある?
- 寝たふりをしていたのに、うっかり返事してしまうという予想外の展開。
覚え方のコツ|ストーリーで古文を覚えよう!
児のそら寝=寝たふり → 返事しちゃった → バレた → かわいい
「あ~こういう子、いるいる!」とリアルにイメージできれば、忘れない!
まとめ|『児のそら寝』が伝える“人間らしさ”とユーモア
古文=むずかしいと思っている人にこそおすすめの一編。
『児のそら寝』は子どもの失敗と素直さがユーモアたっぷりに描かれていて、
今読んでも思わず笑ってしまう魅力があります。
古文は「共感」から入れば、グッと身近になる!
発展問題にチャレンジ!
- あなたが寝たふりしてバレた経験、ある?
- この話を現代の学校に置き換えると、どんな場面になりそう?
- 「さうざうし」と思ったとき、自分ならどうした?
補足|『児のそら寝』の魅力まとめ
ポイント | 内容 |
---|---|
テーマ | 子どものリアルな失敗とかわいさ |
ジャンル | 説話(短編エピソード) |
難易度 | 初心者にもわかりやすく、古文入門に最適 |
出題頻度 | 中学・高校の定期テストや入試でもよく出る |